NTTドコモが三菱UFJ銀行とタッグを組む可能性も
木原社長はみずほ銀行におけるリアル店舗網、さらには店舗での顧客対応に強みがある点をアピールしている。
楽天の三木谷浩史会長も「オンラインで相当なプレゼンスがある一方、オフラインではまだまだだ」と、みずほFGと組むことで、オフラインでの顧客接点強化に期待を込める。
2021年に日本郵政が楽天グループに出資をした際、郵便局内で楽天モバイルの契約を獲るという取り組みが話題になった。今回もみずほ銀行の店頭で楽天モバイルの契約獲得を目論むかと思いきや、木原社長は「銀行はモノを売る商売ではない。銀行業法上、それはできない。三木谷さんは喜ばれるかも知れないが、業法を改正しないと無理だ」と一蹴した。
業界を俯瞰すると、KDDI傘下のauフィナンシャルホールディンス(HD)が49%出資していたauカブコム証券は、auフィナンシャルHDとの出資関係が無くなる一方、三菱UFJ銀行の100%出資となり、「三菱UFJ eスマート証券」に生まれ変わる。
その一方で、三菱UFJ銀行が22%、出資していたauじぶん銀行は三菱UFJ銀行との出資関係がなくなり、auフィナンシャルHDの100%出資となる。
これまでクレジットカード以外の金融事業に大きく出遅れていたNTTドコモはマネックス証券を取り込んだものの、本丸というべき銀行を手に入れられていない。
NTTドコモとしては、どこかのネット専業銀行を買収するのか、それともKDDIとの資金的な関係性が薄れた三菱UFJ銀行とタッグを組む可能性も出始めている。
いずれにしても、通信単体で儲けるのが難しい時代になっているなか、どの金融と組んで、自社のサービスを伸ばしていくのが得策なのか。通信会社にとって腹の探り合いが続くことになりそうだ。

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