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プロセスマイニングに加え、先進的なタスクマイニングにも取り組み高い成果を実現

このケーキの価値は100万ドル CelonisがNXホールディングスの価値向上を祝う

2024年11月25日 07時00分更新

文● 大河原克行 編集● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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個人の業務を可視化する最先端の「タスクマイニング」にも取り組む

 NXホールディングスは、NXグループ(旧称:日本通運グループ)のホールディングス体制移行に伴い、2022年1月に設立された持株会社だ。

 NXグループでは、2019年から「プロジェクトITS(IFRS、TAX、SAP)」を推進し、「SAP S/4HANA」によるグループ経理基盤を構築。2022年1月の稼働にあわせて、Celonis EMSを活用した業務プロセスの可視化と分析を開始した。これにより、担当者の“経験と勘”に頼らない業務プロセスの整流化、事実に基づく問題点の特定、原因の検証が可能になり、改善施策を打ちやすくなったという。

 また2023年10月には、経営プラットフォーム構築推進室(MPD)を新設し、SAP S4/HANAを海外のグループ企業へ展開するとともに、資金・税務プラットフォームを構築。加えて、今年には調達・購買業務に「SAP Ariba」も導入している。

 これらのソリューションに、Celonisのプロセスマイニングを適用することで、プロセスのボトルネックを可視化でき、改善活動とシステム導入をスムーズに進めることができているという。

 さらに2023年からは、世界的にも最先端であるタスクマイニングの取り組みも開始している。

 プロセスマイニングはシステム単位でログを収集し、可視化と分析を行うものだが、タスクマイニングはさらにその先を行き、“個人のタスク単位”で業務を可視化、分析する。具体的には、業務PCから操作データを収集、分析することで、個々人が実行する業務プロセスを可視化する。さらには個人ごとの業務処理の違いも見えるようになるという。

 タスクマイニングを行うと、管理者が“経験と勘”で考えていたのとはまったく別のところでボトルネックが浮き彫りになることも多いという。これにより、感覚値や経験値に基づく判断ではなく、根本的な原因にアプローチした改善が可能になる。

 たとえば、業務処理が遅い社員のPC操作ログを分析したところ、「Microsoft Teams」のチャットを開き、上下にスクロールしている時間が長いことが分かった。社員に確認したところ、業務上の不明点をTeamsの過去のやり取りから探す作業が多いことが判明。そこで、Teamsの運用を見直し、業務マニュアルをアップデートするといった改善アクションをとり、課題を解決したという。

 さらに、タスクマイニングの導入によって、社員個々人の業務処理水準を平均と比較することも可能になった。社員の「自分の水準はどうなのか」という不安を解消するとともに、習熟度の可視化や目標設定にも活用し、社員のモチベーション向上につながっているという。業務処理が速い人/遅い人の操作を分析して、データに基づく業務改善も可能だ。

 NXホールディングスでは、こうしたファクトから得られる業務マネジメント変革の実現や、ファクトに基づいた人材配置、業務ルールやプロセスの見直しにもつなげていると説明した。

それぞれが“バリューケーキ”を味わった

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