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Stable Diffusion入門 from Thailand 第25回

業界トップ級の画像生成AIツール「Recraft」 Adobeユーザーは体験する価値あり

2024年11月25日 17時00分更新

文● 田口和裕

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アップスケールする

 「UPSCALE」は、低解像度の画像を高解像度に変換する機能だ。通常の拡大とは異なり、AIが画像の細部を分析し、不足しているディテールを予測・補完することで、画質を劣化させることなく高解像度化を実現する。

 使い方は非常にシンプルで、画像をアップロードまたは生成した後「アップスケール」アイコンをクリックするだけだ。

 わずか数秒で画像の解像度が向上し、より鮮明な画像が得られる。元の画像の構図や重要なディテールを保ちながら、画質だけを改善できるのが特徴だ。

アップスケール元(1024 x 1024)

アップスケール後(4096 x 4096を1024 x 1024に切り抜き)

 この機能は様々な場面で活用できる。例えば、古い写真を現代的な解像度にアップスケールしたり、ウェブサイト用に作った画像を印刷用に高解像度化したり、プレゼンテーションやマーケティング素材の品質を向上させたりできる。SNS投稿用の小さな画像から大判ポスターまで、用途に応じた最適な解像度に調整することが可能だ。

 通常の高解像度化に加えて、「Creative Upscale」という発展的な機能も用意されている。通常のアップスケールが元画像の忠実な高解像度化を行うのに対し、Creative Upscaleではより積極的な画質の改善や創造的な補完を行う。

「Creative Upscale」(4096 x 4096を1024 x 1024に切り抜き)

 例えば、ぼやけた写真の細部をより鮮明に描き直したり、古い写真のノイズや傷を除去しながら解像度を上げたりすることができるという。また、風景写真の空をより劇的な表情に変えたり、テクスチャをより豊かにしたりと、単なる高解像度化を超えた創造的な画質向上も可能だ。

 ただし、この機能は元の画像から大きく変化する可能性があるため、オリジナルの雰囲気を重視する場合は通常のアップスケールを使用することが推奨されている。

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