hostsファイルで発生するトラブル
前述したように、hostsファイルは、DNSキャッシュに読み込まれてWindowsの名前解決に使われるため、名前解決が可能なホスト、たとえばルーターのDHCPで固定割り当てしたようなホスト名は、hostsファイルには含めない。hostsファイルを使うと、IPv4でアクセスができないアプリが出てきたなどのトラブル原因は大抵これである。
また、IPv6アドレスがグローバルであっても、一般的にはルーター側のパケットフィルタを解除しないと、インターネット側からのアクセスは不可能である。解除方法は、ルーターのメーカー・機種ごとに異なるが、最近の製品であれば、管理用Webページから「パケットフィルタ」などの名称で、特定のポートに対してのパケット通過ルールを定義できるはずだ。
たとえばssh(ポート番号は22)に対して、パケットの通過を定義するなら、プロトコルとしては「TCP」、送信元アドレス、送信元ポートは「任意/Any」、宛先アドレスも「任意/Any」として、宛先ポートとして「22」を指定したフィルタを追加する。
これで、外出先からhostsファイルに定義したホスト名を使って自宅マシンへのssh接続などが可能になるはずだ。ただし、外出先で接続したネットワークがIPv6をサポートしていないと、接続は不可能だ。
スマートフォンのテザリング経由で接続した場合はIPv6をサポートしていることが多い(MVNOでは非対応のサービスもある)。しかし、Wi-Fiホットスポットなどのサービスでは、IPv4のみということも少なくない。あらかじめIPv6での接続ができるか確認しておくといいだろう。
hostsファイルによる名前解決は簡単に定義でき、変更もファイルを編集するだけだ。利用のポイントは、ホスト名などをLAN内と同じにしないこと。hostsファイルによる名前解決は、あくまでもIPv6の長いアドレスを名前(文字列)で扱えるようにするものだ。
通常、Windowsとルーターで、LAN内で必要な名前解決ができる。しかし、異なるホスト名をhostsファイル内で使うことで、LAN内の名前解決に影響せず、外出先で利用できるIPv6アドレスの名前を使うことが可能だ。

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