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単独利用方式を選んだ名古屋市、本番移行に備える日立システムズ、移行後も見据えるAWS

移行期限迫るガバクラ、自治体・支援事業者の現状は? 300の自治体で利用されるAWSの場合

2024年10月24日 07時00分更新

文● 福澤陽介/TECH.ASCII.jp

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移行後を見据えるAWS、自治体システムのコスト最適化やモダン化を推進

 一方のAWSは、 ガバメントクラウドを通じてクラウドの価値を自治体に届けるべく、「ITインフラの標準化、共有化、部品化を推進」をテーマとして支援施策を展開する。

 施策のひとつが、これを機にクラウドを本格活用する自治体に向けての「クラウドスキルの育成」だ。クラウド・AWSは何かという基本から、ガバメントクラウドの最新動向までを解説する説明会を、各都道府県別にて実施。2024年9月末までに35の都道府県で開催している。並行して月次のオンライントレーニングも展開しており、通算3529名が参加、専用の情報ポータルも立ち上げている。

 もうひとつの施策が、「ガバメントクラウドへの移行支援」だ。最初の取り掛かりとして、自治体および事業者が“何を検討しなければいけないか”を整理できる「ガバメントクラウド利用タスクリスト」を提供。事業者に対してはパートナープログラムを通じた支援も展開してきた。

 有償のコンサルティングサービス「AWSプロフェッショナルサービス」においても、ガバメントクラウド移行のメニューを用意。自治体向けには、運用管理補助者の作業を、パートナーに向けには、業務アプリケーションのクラウド化・モダン化をサポートする。

 クラウド見積の適正化についても情報発信している。コンピューティングや料金体系、稼働時間、バックアップなど、クラウドの効果的に使うための見直しのポイントをまとめている。

AWSプロフェッショナルサービスの実績

 本番移行に向け、これらの取り組みを継続すると共に注力するのが、日立システムズも懸念を示していた“クラウド利用コストの適正化”だ。本番稼働後に利用率を監視して、サイジングの見直しや不要なサービスを提案することでコスト最適化を支援する。マネージドサービスの活用やアプリケーションのモダン化も推進していく予定だ。

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