ゲーム内で対戦を視聴するだけでもキャラクターを育成できる新たなプレイ体験
日本のスマホゲームの現状を変えたい――ゲームアプリ『フェスティバトル』から見えてくるコロプラの挑戦【開発者インタビュー】
ゲーム体験をより濃密にする手段として「フェスch」を搭載
――『フェスティバトル』の特徴として、お話のあった「IPのタッグ」が1つ目、2つ目の特徴が「配信」、3つ目が「本格的なスマホのバトル」です。3つの柱の中の2つ目の特徴「配信」についてお聞かせください。
角田:最近のゲームは、プレイするものから視聴するものへと変化しつつあります。ゲーム自体が配信されて実況されることで、ゲームを行う一次エンターテインメントから、ゲームを楽しむ二次エンターテインメントへと昇華しています。実況者やクリエイターが生まれることで、ゲームが非常に面白いコンテンツに変わります。
対戦ゲームですから、常にプレイに集中することが難しい場合もあります。そんな場合でも、スマホで気軽に開いて、遊べないときには視聴することで楽しむ、そういった形で解決できないかと考え「フェスCh」を導入することにしました。
――プレイから視聴へのトレンドを捉えた選択肢として、オープンなプラットフォームとインナーな配信機能の選択があったと思いますが、今回はインナーな配信機能を選択した理由についてお話をお聞かせください。
角田:インナーな配信機能を選択した理由は、より濃い体験を提供するためです。ゲームシステムと視聴体験を結びつけることで、ゲーム内での一体感が生まれます。外部で配信すると拡散される可能性はありますが、それを目的とするのではなく、エンタメコンテンツとしての重きを置きたかったのです。ゲーム内で視聴すると経験値がもらえるなど、ゲームと結びついたエンタメ体験を作るために、あえてインナーの配信機能を選択しました。
――ゲーム体験をより濃密にするための取り組みですね。
角田:まさにその通りです。スマートフォンでゲームを作った理由もそこにあります。その手段の一つとして「フェスCh」があり、ポケットに入れたスマホで対戦ゲームを視聴することもプレイ感を楽しむ手段ともなります。また、配信機能についてはもうひとつ、視聴することで経験値が得られるという点を重視しました。キャラクターの使い方を学びながら自分のキャラクターを育成するという仕組みです。
私自身、フロム・ソフトウェアさんのゲームが好きで、遊ぶ際、YouTubeで攻略動画をたくさん見て研究するものの、実際にクリアできないことが多かったので、「視聴することでゲームが上手くなり、強くなる」という仕組みがあればいいのにと思っていました。
今回、それを経験値としてゲームに組み込みました。今はもらえる経験値(EXP)が少ないため、もう少し実感しやすい形に調整したいと思っています。 いずれも対戦ゲームのマス化(大衆化)に向けたチャレンジでした。
良いものがあればユーザーは遊んでくれると信じている!
――バトルシステムをスマホに持ち込むことは大きなチャレンジだと思いますが、そこに独自の工夫はありますか。
角田:逆に、今回は余計な発明はしないように注意しました。みんなにわかりやすいルールにすることで、対戦ゲームの大衆化を狙っています。6対6で動く中で難しくならないように配慮し、誰でも楽しめるようにしました。
――今回のIPタッグに関して、広くメンテナンスを行うことで、コアなユーザーだけではない広がりに対する期待感や手応えはいかがですか。
角田:キャラクターのファンや対戦ゲームが好きな方々が楽しんでくれているのを感じています。訪れるユーザーは『白猫プロジェクト』や『モンスターストライク』の濃いファンであり、過去にプレイしていた方が多い印象です。データから見ても過去にプレイしていたユーザーが再び集まり、盛り上げてくれています。現在、それがユーザー層の柱となっています。
しかし市況は年々厳しくなっており、一筋縄ではいかずゲームをはじめてくれるオーガニックの人を獲得する難易度が上がっています。
――ほとんどの人がスマホを持っています。スマホゲーム市場ももっと伸びるべきです。実際にはユーザーが新しいものを求めているのに、トップメーカーが2本目、3本目を出すのに苦戦しているのは構造的な問題に過ぎないのではないかと感じています。
角田:良いものがあればユーザーは遊んでくれると信じていますが、日本のスマートフォンゲームに関しては、新しいゲームを作っているところが少なくなっているように感じます。逆に言えば、周りが新しいものを作らなくなったのはラッキーかもしれません。
ただ、リッチなコンテンツを求める層はすでにほかのタイトルに取られているので、そこではない層にしっかりとアプローチするものを考えないと生き残れないでしょう。
初のほか作品とのコラボを実施! その手ごたえは……
――最後に今後の展開について、お話できる範囲で教えていただけますか。
角田:『にゃんこ大戦争』が参戦したこともユーザーから非常に好評をいただいています。それぞれのユニークなスキルもあり、ユーザーに喜んでいただけたと思います。フェスティバルという名前には、毎月お祭りのように楽しい体験を届けるという意味があります。
今回、『白猫プロジェクト』や『モンスターストライク』だけでなく、『にゃんこ大戦争』のキャラクターも参戦しましたが、これを皮切りに、『白猫』と『モンスト』のゲームというよりも、もっと多くのIPが参戦する6対6の対戦ゲームプラットフォームとしての認識をしてもらえるようにコミュニケーションをとっていきます。定期的にさまざまな作品とコラボレーションし、リッチなキャラクター体験を提供していきたいと考えています。
――『にゃんこ大戦争』のキャラクターをリッチな体験に落とし込むコロプラの技術力についてもお聞かせください。
角田:スマートフォンにおける3D技術に関して我々は『クイズRPG 魔法使いと黒猫のウィズ』から取り組んでいます。ガンホーさんの『パズル&ドラゴンズ』が出た直後くらいに『黒猫のウィズ』が登場し、その中で3Dを活用していました。そのため、スマートフォンにおける3D技術に関してはかなりの蓄積があると思います。
また、十数年にわたってノウハウも積み重ねてきましたので、最適化やキャラクターの動かし方など、コロプラならではの3Dキャラクタークリエイトができると思います。
フェスティバトルとは?
『フェスティバトル』は、『白猫プロジェクト NEW WORLD'S』(コロプラ)や『モンスターストライク』(MIXI)をはじめとする作品のキャラクターたちが一堂に会するチームアクションゲーム。1プレイ5分で手軽に遊べるのが特徴で、3Dで表現されたキャラクターを操作し、さまざまなルールでチーム戦を楽しめる。
本作は「誰もが必ず楽しめる場所があるゲーム」をテーマに、ゲーム配信から視聴までを一貫して楽しめる機能「フェスCh」を搭載。対戦が苦手な人も“観る”ことで一緒にバトルを楽しめるタイトルとなっている。
【ゲーム情報】
タイトル:フェスティバトル
ジャンル:チーム対戦アクションバトル
配信:コロプラ
プラットフォーム:iOS/Android
配信日:配信中(2024年8月30日)
価格:基本プレイ無料(アイテム課金制)
©COLOPL, Inc. ©MIXI
©PONOS Corp.
※掲載のゲーム画面は、開発中の画面となります。
※位置ゲー、コロプラおよびコロプラロゴは株式会社コロプラの登録商標であり、世界初表記は自社調査に基づきます。
※MIXIおよびモンスターストライクの名称、これらに関連する商標およびロゴは、MIXIの商標および登録商標です。
※iOS、App Storeは米国および他国のApple Inc.の登録商標です。
※YouTube、AndroidはGoogleの商標です。
※そのほかのすべての商標は、各々の所有者の商標または登録商標です。
※対応スマートデバイスの購入および通信料はお客様のご負担となります。
※アイテム課金制です。一部キャラクターは有料のランダム型アイテム提供方式により提供されます。
※18歳未満の方へ:アイテムを購入する際は、保護者から同意をもらうか、一緒に購入するようにしてください。
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