マイクロソフトが現地時間10月1日、AIパソコン「Copilot+ PC」とWindows 11に新しいAI機能を追加すると発表した。以前見たものを瞬時に見つけ出せるRecall機能、効率的なタスク実行ができるClick to Do機能、自然言語を用いたWindowsの検索機能強化、写真アプリの超解像機能、そしてペイントアプリの生成AIツールなど、ユーザーが日常的に使用する機能を中心に一斉強化した。
1つ目は、PCで以前見たものを瞬時に見つけ出す「Recall」機能の改良版だ。Recallはプライバシーとセキュリティの懸念から導入が遅れていたが、オプトイン方式の採用や、データの暗号化、ユーザー認証の強化などによる新たな安全対策が説明された。Copilot+ PCでは、Arm版で10月、IntelまたはAMD版では11月からWindows Insiderコミュニティーを通じて配信開始を予定する。
次に、「Click to Do(クリックして実行)」という新機能が導入される。これはPC画面上に右クリックメニューのような対話型のオーバーレイを表示して、画像やテキストに対する素早いアクションを提案するもの。具体的には、ペイントツールで背景をぼかしたり、オブジェクトを消去したりするのに役立つという。
Windows検索機能も改善され、ユーザーは自然な言葉で文書や設定、写真を探せるようになる。
写真アプリでは「Super resolution(超解像)」機能が追加され、低解像度や古い写真を高品質の画像に変換できるようになるという。
無料のペイントアプリにも「生成塗りつぶし(generative fill)」と「生成削除(generative erase)」機能が追加され、画像の編集や変更がより簡単になる。
新機能は、11月から段階的にWindows Insiderコミュニティーに公開されていく予定だ。Acer、Asus、Dell、HP、Lenovo、Samsung、Microsoft Surfaceなどの主要メーカーのWindows 11 PCで利用可能になる。
これまでのCopilot+ PCは「AIパソコンに何ができるのか」という点が伝わりづらいところがあった。マイクロソフトは今回のアップデートにより、Copilot+ PCの具体的な利点をより明確に打ち出した形だ。NPUの処理能力を活用した機能の充実によって、利便性の向上が期待される。