絶対行きたい! この街のあの名所 第119回

南砺市「世界遺産 五箇山菅沼合掌造り集落」の秋の絶景“三段染め”にうっとり♪

文●越智龍二 イラスト●サタケシュンスケ

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 富山県南西部に位置する南砺市。面積の約8割が森林となる自然豊かな街には、日本三大散居村の一つに数えられる砺波平野や、五箇山合掌造り集落など、ここにしかない独自の景観が広がっています。市内には、かつて絹織物で栄えた城端(じょうはな)や、木彫りで知られる井波、世界的な版画家の棟方志功が暮らした福光など、魅力的なエリアがいくつもありますが、最も知られているのは、五箇山ではないでしょうか。

 市内南部の山間部にあり、昔懐かしい日本の原風景が広がる五箇山エリア。白川郷と共に世界遺産にも登録されている五箇山合掌造り集落が有名で、今も実際に人々が暮らす相倉と菅沼の2つの集落は、“生きた世界遺産”とも呼ばれています。秋になると、合掌造りの家屋と紅葉のコラボを見るために例年多くの観光客が訪れますが、今回は、“三段染め”と呼ばれる絶景が楽しめる「世界遺産 五箇山菅沼合掌造り集落」をご紹介します。

過去にタイムスリップしたかのような集落で昔ながらの秋を満喫

 山間を流れる庄川の河岸に、江戸末期から明治初期に建てられた合掌造りの家屋9戸が、今も現存する「世界遺産 五箇山菅沼合掌造り集落」。現在20戸の合掌造り家屋が残る「相倉合掌造り集落」と共に1970年に国の史跡指定を受け、1995年には世界文化遺産にも登録された日本が世界に誇る景観が広がっています。冬には雪が降り積もる全国有数の豪雪地帯で暮らすために約60度の急こう配になった屋根が特徴的な茅葺屋根の家屋だけでなく、周囲の雪持林や屋根の材料となるカリヤスを育てる茅場も含めて史跡となっているので、のどかな山村全体が昔のままの趣。干柿が吊るされることもある秋は、昔ながらの日本の秋を感じることができるはずです。また、例年10月末ごろから紅葉が見られ、晴れた日には周囲の山々が赤や黄色に染まる紅葉と山頂に降り積もった白い雪、澄みきった青い空がつくり上げる“三段染め”の絶景も見られます。東海北陸自動車道五箇山ICからほど近く、アクセスもよい集落には、かつて五箇山の一大産業だった塩硝づくりを再現する「塩硝の館」や、山村の暮らしがわかる生活用具約200点が展示された「五箇山民俗館」、五箇山での伝統的な生活を実際に体感できる「五箇山 合掌の里」などもそろっているので、訪れた際は紅葉のみならずその歴史や伝統にも触れてみては?

世界遺産 五箇山菅沼合掌造り集落

DATA
住所:富山県南砺市菅沼
電話:0763-67-3008(菅沼世界遺産保存組合)
https://www.tabi-nanto.jp/archives/4497

 2つの合掌造り集落以外にも、「くろば温泉」「民謡の里」などの観光スポットや、五箇山和紙、堅豆腐などの名物も豊富な五箇山エリア。秋に収穫される、ラグビーボールの形をした地元名産のカボチャ、五箇山ぼべらを使ったコロッケなども味わって、五箇山の秋を満喫してください。

※紅葉の時期は例年のもの。詳しくは、お出かけ前にご確認ください。

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