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Stable Diffusion入門 from Thailand 第19回

画像生成AI「Stable Diffusion」の代替に? 話題の「FLUX.1」を試した

2024年08月07日 17時00分更新

文● 田口和裕

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ビジネス用途での普及の可能性

 以上、FLUX.1の3つのモデルを実際に触ってみたが、印象としてはMidjourneyのアーティスティックな画風、Stable Diffusionの広範なカスタマイズ性、DALL-E 3の言語理解能力をいいとこ取りしつつ、独自の強みを打ち出せているように思う。

 今回は限られた時間で試すことになったが、プロンプトや各種パラメーターを探求することで、さらに向上するポテンシャルを持っているのではと感じた。

 実際、XなどでもFLUX.1の出来の良さに、Stable DiffusionやMidjourneyはもういらないと主張する投稿も目立つ。

 また、オープンソースでありながら商用利用に制限が少ないApache 2.0ライセンスの採用は画期的だろう。API利用料金が競合と比べて抑えられているのも大きい。

 まだ各種環境の整備を待つ必要があるが、FLUX.1は今後、高速かつ高品質な画像生成を必要とするビジネス用途で支持を集める可能性が高いと思われる。その用途でのライバルはDall E-3になるだろう。

 また、Stable Diffusion 3のライセンス変更に失望した開発者たちの一部が移行してくることも予想されるが、Midjourney、特に最新バージョン「6.1」の芸術性はいまだ群を抜いており、そちらの牙城を崩すのはもう少し先かもしれない。

 
田口和裕(たぐちかずひろ)

 1969年生まれ。ウェブサイト制作会社から2003年に独立。雑誌、書籍、ウェブサイト等を中心に、ソーシャルメディア、クラウドサービス、スマートフォンなどのコンシューマー向け記事や、企業向けアプリケーションの導入事例といったエンタープライズ系記事など、IT全般を対象に幅広く執筆。2019年にはタイのチェンマイに本格移住。
 新刊:発売中「生成AI推し技大全 ChatGPT+主要AI 活用アイデア100選」、:https://amzn.to/3HlrZWa

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