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あのクルマに乗りたい! 話題のクルマ試乗レポ 第449回

景色が止まる加速! ランボルギーニのV12モデル「レヴエルト」の本気を試したら速すぎて脳みそがズレるかと思った

2024年08月04日 12時00分更新

文● 西川昇吾 編集●ASCII

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ランボルギーニ

最強のランボでサーキットを全開走行してきた!

 スーパーカーの代名詞とも言えるブランド、ランボルギーニ。そんなランボルギーニの伝統が、V12エンジンをミドシップに搭載したモデルです。1966年に登場したミウラから今日に至るまで、V12ミドシップマシンの系譜は途切れたことがありません。そして、そんな伝統V12ミドシップモデルの新型である「Revuelto(レヴエルト)」にサーキットで試乗する機会を得ました!

 舞台は富士スピードウェイ。国内屈指のハイスピードコースで、システム出力1015馬力を遺憾なく発揮するにふさわしい場所です。

レヴエルトってどんなクルマ?

ランボルギーニ

 ミウラから数えて6代目のミドシップV12モデルとなるレヴエルト。先代のアヴェンタドールと比べても新要素がてんこ盛りです。その中でも最も特徴的なのがプラグインハイブリッドシステムの採用です。フロントに2つ、リアに1つのモーターを搭載し、センタートンネル下にリチウムイオンバッテリーが搭載されています。

 これまで、限定車の「カウンタック LPI 800-4」などにもハイブリッドが採用された例がありますが、カタログモデルでは初めてです。

ランボルギーニ

 カウンタックからアヴェンタドールまで、このセンタートンネルにはトランスミッションが配置されるのが1つの伝統ではありました。ですが、レヴエルトではここにバッテリーが搭載され、トランスミッションは8速DCTがリアに横置きされています。なお、このトランスミッションはモーターと一体化されたものです。

 4WDとなっていますが、エンジンから得られるトルクがフロントに伝達されることはなく、フロントはすべてモーターで駆動します。エンジン単体で825馬力を発揮し、システム出力は1015馬力。エンジンも最高出力を9250rpmで発生するという超高回転型。ハイブリッドだけに頼るのではなく、エンジンそのものの性能アップと、エキサイティングさも忘れていないのがランボルギーニらしい点です。

静かに発進できるランボルギーニ

ランボルギーニ

 それではいよいよ出発です。レヴエルトに乗り込み先導車に続きコースイン。ココではCITTA(チッタ)というフル電動のモードで発進していきます。音もせず、静かにピットロードエンドに来たところで、ストラーダへとドライブモードを変更。ここで初めてリアのV12エンジンが目を覚ましました。これならば周辺環境を気にすることなく、朝静かに出発して、夜静かに帰ってくることができそうです。

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 なお、レヴエルトには5つのドライブモードと3つのハイブリッドシステムのモードが用意されています。ドライブモードはチッタ、ストラーダ、スポーツ、コルサ、コルサ(ESC OFF)。ハイブリッドシステムはリチャージ、ハイブリッド、パフォーマンスです。

ランボルギーニ

左の赤いダイヤルでドライブモード、右の黒いダイヤルでハイブリッドシステムのモード選択をする

 まだペースはゆっくりですが、1コーナーへ入る前にブレーキング。すると、パッドとローターが当たった瞬間がリニアに伝わるカチッとしたブレーキで、コントロール性も高いことに驚かされました。そして加速しながらスポーツモードへと変更。V12サウンドは心地よく車内に響き、普段乗りであればこれくらいエンジンの主張があるほうが丁度いいと思わせる塩梅となっていました。

ストレートで超高回転型NAパワー炸裂

 第3セクターへと差し掛かり、いよいよホームストレートへ。ここから先導車もペースを上げます。ここで、ドライブモードをサーキット志向のコルサにして、ハイブリッドシステムも走行性能を重視したパフォーマンスモードへと切り替えます。ここから超高速域へと加速!

ランボルギーニ

 すると、あっという間にV12エンジンは8000rpmオーバーを指します。すぐさまパドルシフトを操作するとまた鋭いピックアップでタコメーターは高回転域を指します。

 6.5Lエンジンとは思えないほどの吹け上がりで加速していき、高回転になればなるほどパワーが出てくる。レッドゾーン付近では暴力的な加速を見せる。そんな高性能高回転型NA(自然吸気)エンジンらしい加速フィーリングを、ハイブリッドであってもしっかりと堪能できると確信した瞬間でした。

ランボルギーニ
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 それでいて、しっかりと目が追いついて、冷静でいられる。それも全体的な性能の高さがあるからこそと言えます。

直線番長にあらず! 高速コーナリングも得意分野

 あとちょっとで300km/hに届こうかというところからフルブレーキング。超高速域からのブレーキングでもブレーキタッチはカチッとしていて、不安感はありません。そして、ステアリングを入れていくと鋭い反応で旋回を始めます。

ランボルギーニ
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 そのまま、高速コーナーのコカ・コーラコーナーや100Rに差し掛かると、1700kgを超える車重を感じさせないほど、オンザレールな雰囲気で路面に張り付くようなフラットなロール感で曲がっていきます。

 ここで、ESC(Electronic Stability Control、いわゆる横滑り防止機能)が仕事をしているのに気が付きますが、介入の仕方も細かく絶妙で、タイヤの限界を超えていることを「やや」ドライバーに伝えてくれます。安全を守りながらも、ドライバーへ操っている感を味わせる味付けが絶品です。

 そこから、さらに立ち上がりの早いタイミングでアクセルを踏むと、若干フロントが逃げながらも、トルクベクタリングの制御で通常の4WDとは違う、異次元の曲がり方を見せてくれます。

 安全性とドライビングの楽しさを残しつつも、上級者はESCを活用して速く走らせることができる。そんな電子制御の味付けとなっていました。

 そのようなフィーリングが伝わってくるのも、高性能かつコントローラブルな純正タイヤであるブリヂストンの「ポテンザスポーツ」が貢献している面もあるのでしょう。

ランボルギーニ

【まとめ】「良くできている」スーパースポーツ

 そうこうしているうちに試乗時間は終了。3周を計2回と、長くはありませんがレヴエルトのスゴさを体感できた時間でした。

ランボルギーニ
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 試乗全体で感じたのは、マシン全体でしっかりとバランスが取れていることです。圧倒的な加速性能や高回転型NAエンジンらしいフィーリングなど、エキサイティングな気持ちにさせるスーパーカーらしい乗り味はしっかりと残しつつも、サーキットを攻めると「良くできている」と感じさせる走る、曲がる、止まるの総合性能の高さ。

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 そして、チッタでのステルスな走行。ストラーダ、スポーツモードでの「程よい」と感じる味付け。それぞれの走行モードで求められる性能と雰囲気をしっかりと実現しているのが、良いバランスを高い次元で実現していると感じさせる仕上がりとなっていました。

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 ちなみに車両価格ですが約6600万円とこちらもスーパー(オプションコミコミで7000万円超えるとも)。さらに日本への割り当て分は数年先まで完売しているとのこと。街中で見かけたら運が良いですよ!

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