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事業転換した京セラ、タッチ決済読み取りに対応の法人向けタブレットやスマホの新モデルを発表

2024年06月25日 09時00分更新

文● 村元正剛(ゴーズ) 編集●ASCII

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 京セラは通信事業本部の事業説明会を開催。通信機器事業の今後の戦略について説明し、法人向けの新製品も発表した。新たに発表されたのはスマートフォン2機種とタブレット1機種だ。

法人向けスマホ「DIGNO SG4」はsXGPに対応

 スマホはAndroid 14を搭載する「DIGNO SX4」で、Wi-Fi専用の「DIGNO SG4 Wi-Fi」も発売される。どちらもカラバリはブラック、ホワイトの2色。発売予定は10月以降とのこと。

DIGNO SX4は約5.8インチのディスプレイを搭載

カラバリはブラックとホワイトの2色。カメラは背面・前面ともに約800万画素

 DIGNO SX4は約5.8型の液晶ディスプレーを搭載。SoCはMediaTek Dimensity 6100+(最大2.2GHz)で、メモリーは4GB、ストレージは64GBという構成。

 防水(IPX5/IPX8)、防塵(IP6X)に加えて、MIL規格に準拠する耐衝撃性能も備えた頑強なモデルで、手袋を着けて操作できる「グローブタッチ」、濡れた手で操作できる「ウェットタッチ」など、これまでのDIGNOシリーズで好評だった便利機能も継承。泡ハンドソープでの洗浄やアルコール除菌にも対応している。

 生体認証は指紋と顔の両方に対応。NFCを搭載し、キャッシュレス決済の読み取り機として使うことも可能だ。なお、内蔵している部品に異常がないかを簡易的に調べられる機能も新たに搭載された。

堅牢性の高さが利点で、手袋を着けていても操作しすい

左側面にはSIMスロットがあり、nanoSIMとmicroSD(最大1TB)を装着できる

底部にUSB Type-Cポートを搭載。ストラップホルダーも備えている

法人向け端末ならではのこわだりとして、バッテリーの安全性を高めていることも説明された

バーコードの読み取り性能も、一般的なスマホよりも高い

 ネットワークは4G、5Gに加えて、sXGP(自営ネットワーク)にも対応し、外部へのアクセスが制約されている施設内でも安定して通話・通信ができる仕組み。eSIMを追加できるので、nanoSIM+eSIMのデュアル回線を使うこともできる。

 一方、DIGNO SX4 Wi-Fiのハードウェアの仕様はDIGNO SX4と共通。Wi-Fi環境だけで使いたいニーズに応えたモデルだ。

タブレット「DIGNO Teb2 5G」は前面にNFCを搭載

 タブレットはAndroid 14搭載の「DIGNO Teb2 5G」。約10.1型のディスプレーを搭載し、SoCはMediaTek Dimensity 6100+(最大2.2GHz)、メモリーは4GB、ストレージは64GBという構成だ。KDDIから2024年秋以降に発売される。

約10.1型画面の「DIGNO Tab2 5G」は、KDDIから発売される

 DIGNO Teb2 5Gの最大の特徴は、前面にNFCの読み取り機能を搭載し、そこにカードを当てると認証できること。専用のカードリーダーを導入しなくても、タッチ決済対応のクレジットカード、交通系ICカード、マイナンバーカードなどを読み取ることが可能。タブレットの画面に操作の案内などを表示できることだ。また、フロントカメラをQRコードの読み取りに使うこともできる。

NFC対応のカードやデバイスを、ディスプレーの右上に当てて読み取る仕組み

前面に約500万画素、背面に約800万画素のカメラを搭載。本体の重さは約530g

 防水(IPX5/IPX8)、防塵(IP6X)に対応し、75mの高さからの落下試験にクリアするなど、DIGNOらしい強さも装備。グローブタッチ、ウェットタッチに対応し、泡ハンドソープで洗ったり、アルコール除菌シートで拭いたりすることも可能。

 ネットワークは4G、5Gに加えて、WiMAX 2+にも対応。nanoSIM+eSIMのデュアルSIMでも運用できる。

B2Bが順調な京セラは医療分野に注力

 京セラの通信機器事業は、昨年来、B2CからB2Bに事業転換したが、B2B事業が順調に成長しているとのこと。今後は、さまざまな業界とパートナーシップを組み、通信ソリューション事業をさらに拡大・加速していく構えだ。

B2Bのシェアが拡大中

注力分野との提携、通信ソリューションの提供を推進

 その中でも、特に注力する分野として「医療」を取り上げ、新しいソリューションを開発し、導入を推進していることが紹介された。たとえば、スマホのカメラをかざすだけで薬剤を認識するシステム、病院食を食事前と食事後に撮影して、摂取した栄養量を記録できるシステムなどだ。

専用の撮影台などを用意しなくても、薬を正確に認識するシステムを開発。パッケージされた状態でも、透明の袋に入れ替えた状態でも認識可能。約8000種類の薬が登録されていて、随時追加可能とのこと

素早く認識することをデモンストレーションで確認できた

食事の前後に撮影して、摂取した栄養量などがわかるシステム

デモンストレーションが披露された

デモンストレーションでの結果。目で確認して手入力するより正確で、時間を大幅に短縮化できる

これらのシステムは京セラの物体認識AI技術によるものだ

 さらに、ミリ波を用いて入院中の患者が起き上がったり、ベッドから離れたりすると検出できるシステムも開発。監視カメラでは消灯時は確認しづらいが、ミリ波を用いるセンシングによって、暗い場所でも人の動きを正確に捉えることができるという。

ミリ波を用いた離床センシングシステムも開発

頭、足などに小型のセンサーを装着して、歩行を解析するシステム。スマホとはBluetoothでつながる

通信を用いたセンシング技術の開発にも注力

 いずれも医療現場の人手不足の解消や、人為的ミスの減少につながる施策だ。

TORQUE 10周年の企画も準備中

 auから発売されているタフネススマホ「TORQUE」は、引き続きコンシューマー向けにも発売されるとのこと。近いうちに新機種の発表はないようだが、今年はTORQUEの初号機発売から10周年に当たるため、10月9日(トルクの日)に向けて、「ユーザーに喜んでもらえる企画を考えている」という。詳細については明らかにされていない。今後の発表を待とう。

今年はTORQUE10周年

説明会の会場には最新のTORQUE G06のほか、現在発売中のデバイスも展示されていた

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