生成AIがゲーム開発者に注目を集める!
ゲーム開発者の中では、生成AIが非常に注目を集めていると浜村氏。ユービーアイソフトは今年3月に行われたGDCにて「NEO NPC」と呼ばれる生成AIを活用する技術を発表。これはNvidiaやInworldの技術を使ったもので、プレイヤーの質問に対して、NPCが状況に応じて話す言葉や仕草を変えるというもの。
また、国内のゲーム企業もいろいろ使っており、レベルファイブは政府主催の「AI時代の知的財産権検討会」にて、画像生成AIの「Stable Diffusion」を企画出しやクオリティアップに使っていると、実際に利用している事例を発表した。
スクウェア・エニックスもCEDECで自然ゲーム処理やバランス調整にAIを活用していると発表。また、DNAやサイバーエージェント、Cygames、Klabといったメーカーの開発者も生成AIの活用についてのセッションに登壇している。
バンダイナムコスタジオにおいては、AIがすでにゲーム開発を変えており、変化はまだまだ続くと発表。国内の大手開発会社はすでにAIを使ってゲーム開発を始めていると浜村氏は語った。
生成AI=開発コストの削減という事例も。テンセントはGDCで、「G-NEXT」と呼ばれる生成AIのゲームエンジンを発表。これはMobaやFPS、MMOといった幅広いジャンルで2Dや3D、メッセージの生成の支援ができるというもの。これを使って市街地のマップを作ったところ、これまでは5日間かかっていた作業が、30分で終わったという。
ゲーム制作者にしてみればグラフィックの工数の削除、開発コストの削減、製作期間の削除などをできるのは有用なこと。浜村氏は特に個人開発者にとっては便利だろうと感想を述べた。
現在、コロナで大きくなった市場が脱コロナで小さくなり、その影響でゲーム産業界ではリストラが流行っている。それは、売上が落ちたぶん、コストダウンが求められているためだという。浜村氏は、今後は生成AIが入って来ることで組織再編といったことが起こる可能性が十分あるのではないかと推察した。
国際的にもeスポーツがスポーツであるという認識が広がる
国際オリンピック委員会が主催した、オリンピックeスポーツシリーズがシンガポールで開催。また、アジア地域では、OCA主催のアジア大会にも注目が集まっている。国策的にもeスポーツが、スポーツであるという認識が定まりつつあるようだと浜村氏。これらの動きを見て、JOCがeスポーツの検討プロジェクトを設立すると2月9日に発表。本格的にオリンピックのeスポーツに向けて動き出すようだ。
オリンピック、アジア大会に並ぶ大会として、ワールドカップも開催。今年の9月にサウジアラビアで行われ、賞金総額が93憶円と史上最高額となっているため非常に盛り上がっているという。オリンピック、アジア大会、ワールドカップが行われるということで、日本市場も大きくなっていると浜村氏。2025年には217憶円まで市場規模は伸びると見込まれている。
そんな中、eスポーツの雄、『リーグ・オブ・レジェンド』や『ヴァロラント』などを手掛けるライアットゲームズが、ファンコミュニティとの関係の構築を目指す施策をしていることに触れた。
それは、大会の売上の50%をチームに分配するというもので、もし大会の売上が想定内に満たない場合でも、最低保証金額をチームに支払うという。しかも、チームがお金に困ることがあれば、前払いも対応するとのこと。
ほかにもデジタルコンテンツの売上も、大会成績やファンからの支持に応じて分配するということで、これらの合計金額がチームによっては数億円規模になるという。浜村氏は、ライアットゲームズはゲームIPを支えるコミュニティの活性化のためにチームとの共栄共存を目指しているのだろうと述べた。
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