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AIアバターやエージェント、EmTechで印象に残ったこと3つ

2024年05月02日 06時56分更新

文● Melissa Heikkilä

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Halo Creative for MIT Technology Review

画像クレジット:Halo Creative for MIT Technology Review

MITテクノロジーレビューが4月にロンドンで開催したカンファレンスでは、より優れたAIアバターやAIエージェントなど、AIの今後の展開に関する知見が得られた。

この記事は米国版ニュースレターを一部再編集したものです。

MITテクノロジーレビューは4月16~17日、英国ロンドンで初の「EmTech(エムテック)デジタル・カンファレンス」を開催した。大成功だった。大勢の参加者がすばらしい質問をするのを見て、私はとてもうれしく思った。人工知能(AI)の次の展開に関する、脳をくすぐるような洞察に満ちた2日間だった。

ここでは、カンファレンスから私が持ち帰った3つの重要なことを紹介する。

1.AIアバターは本当に本当に出来が良くなっている

英国を拠点とするAIユニコーン企業のシンセシア(Synthesia)が、これまで見たこともないほど感情的でリアルな次世代AIアバターの予告を発表した。シンセシアはこのアバターを、より魅力的な新しいコミュニケーション手段として宣伝している。たとえば新入社員は、何ページもある新入社員研修資料に目を通す代わりに、超リアルなAIアバターが説明してくれる動画を見て、自分たちの仕事について知っておくべきことを学べるかもしれない。このことは、私たちのコミュニケーションの方法を変える可能性を秘めている。たとえば、コンテンツ制作者が自分の仕事を特注のアバターに外部委託できるようになったり、組織が従業員とより情報共有しやすくなったりするだろう。

2.次はAIエージェントが登場する

チャットGPT(ChatGPT)ブームのおかげで、多くの人たちが、情報を検索・取得できるAIアシスタントとのやり取りを体験した。しかし、それらのツールの次世代版となる「AIエージェント」は、それをはるかに上回る可能性がある。AIエージェントは、ダイナミックな世界で自律的に独自の意思決定ができるAIモデルやアルゴリズムである。たとえば、AI旅行代理店を想像してみてほしい。そのAIエージェントは情報を取得したりやるべきことを提案したりするだけでなく、フライトからツアー、宿泊施設に至るまで、あなたに代わって予約するためのアクションを起こすことができる。オープンAI(OpenAI)やメタから、スタートアップ企業に至るまで、あらゆる有能なAI研究機関が、より優れた推論を実行し、より多くの手順を記憶し、他のアプリやWebサイトとやりとりできるエージェントの構築を競い合っている。

3.人間も完璧ではない

AIシステムが不具合を起こさないようにする最善の方法の1つは、人間がAIシステムを監査・評価することである。しかし、人間は複雑で偏見があり、常に物事を正しく実行するとは限らない。私たちの期待に応え、限界を補完するマシンを構築するためには、最初からヒューマンエラーを考慮に入れておく必要がある。ケンブリッジ大学のAI研究者ケイティ・コリンズは、興味深いプレゼンテーションの中で、AIモデル全体の精度向上につながる方法を見つけた経緯を説明した。その方法とは、たとえばデータにラベル付けする際にどの程度自信があるかパーセンテージで示すなど、人々が確信度を表現できるようにすることである。このアプローチの唯一の欠点は、より多くのコストと時間がかかることだ。

走り方の次は歩き方、人型ロボットの着実な進歩

オレゴン州立大学の研究チームは、「ディジット(Digit)V3」という名前の人型ロボットを訓練し、立つ、歩く、箱を拾う、ある場所から別の場所へ移動するといった動作を教えることに成功した。一方、カリフォルニア大学バークレー校の別の研究チームは、ディジットに、不慣れな環境でさまざまな荷物を運びながら転倒せずに歩行する方法を教えることに重点を置いている。

重要なこととして、どちらのグループも、ディジットのような二足ロボットの訓練法として急速に普及しているAI手法「Sim-to-Real(シム・トゥ・リアル)強化学習」を使用していることがある。研究者たちはこの手法が、より安全に周囲とやり取りでき、より堅牢で信頼性の高い二足ロボットの開発につながるほか、学習スピードも大幅に向上させられると考えている。 詳しくは、リアノン・ウィリアムズ記者の記事をお読みいただきたい

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