2024年、実は日本で「格安スマホ(格安SIM、MVNO)」が生まれて10周年になろうとしている。
そもそも「格安スマホ」は、2014年、大手スーパーのイオンが、日本通信のSIMカードと、とある倉庫に在庫として眠っていたLGエレクトロニクス製「Nexus 4」を組み合わせ、月額2980円で売り出したのが発端だ。割安なスマートフォンとして爆発的に売れるなか、「MVNO」ではわかりにくいということで、某メディアが「格安スマホ」と命名したところ、一気に市民権を得たというわけだ。
「ahamoショック」からMVNO復活説
かつて「格安スマホ」といえば、IIJmioやmineoなどキャリアから通信回線を借りてサービスを提供する、いわゆる「MVNO」が中心であった。しかし、MVNOにユーザーを獲られまいとソフトバンク「ワイモバイル」、KDDIが「UQモバイル」といったようにサブブランドを強化。ユーザーの獲得合戦が始まった。
2020年頃までMVNOはユーザーを順調に伸ばし、シェアも拡大していったが、急ブレーキがかかったのが2021年春だ。NTTドコモが月額3000円程度で20GB使える「ahamo」を投入。これにより、MVNOはシェアで10%を下回るようになってしまったのだ。
MVNO業界内では「ahamoショック」として、ここ数年、停滞感が漂っていたが、ここに来て「MVNO復活説」が出始めている。
根拠としてあるのが、2023年12月のガイドライン改正だ。実は2019年のガイドライン改正により、MVNO業界でトップ2であるIIJmioとmineoに対して、MNOであるNTTドコモやKDDI、ソフトバンクや楽天モバイルと同様の規制がかかっていた。これにより、端末割引や長期割引施策が自由にできないなどの制約が存在したのだ。
しかし、2023年12月にガイドラインが改正となり、MVNOの2社に対する制約は解除となった。これにより、いち早く動いたのがmineoだ。長期ユーザー向けの優遇プログラム「ファン∞とく」を改定し、長期契約ユーザーに優しい内容に復活させている。
ガイドラインの見直しにより、大手MVNOの競争力が増しており、MVNO業界全体で見ても追い風であるのは間違いない。
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