New Relicが語る小売業界のオブザーバビリティの現状と課題
三越伊勢丹、オブザーバビリティ強化で「サロン・デュ・ショコラ」の顧客接点を可視化
2024年02月29日 08時00分更新
観測性で攻めと守りを両立するNew Relic ビジネスオブザーバービリティ実現のPathpointの機能も提供開始
改めて小売業の抱える問題点は、ECのフロントだけではなく、在庫管理や発注、配送、決済など、システムが複雑に絡み合っていることだ。この中で、利用ユーザーの体験向上だけではなく、ECサイトへの流入を増加させたり、システムの問題に対してプロアクティブに対応したり、開発運用のコストを効率化したりと、さまざまな課題に取り組まなければいけない。
一方、システムの監視はインフラ中心で、「昨今の技術革新や小売特有のシステム連携においては、インフラだけを見ているのでは十分に対応できない」と齊藤氏。監視もサイロ化して、インフラ側からはアプリの問題が把握できず、エンドユーザーからのリクエストに対応できない。重大障害やその検知の遅れにもつながる。
これらの課題を解決すべくNew Relicが展開するオブザーバビリティプラットフォームは、インフラだけではなくアプリケーション、エンドユーザーが利用するブラウザやモバイルのユーザー体験まで、システム全体に及ぶ観測性を提供する。
ユーザー体験の把握と改善による収益向上、プロアクティブかつ迅速な問題解決による安定稼働という、攻めと守りを両立しながら、運用業務の自動化や効率化を推進できるという。
また、New Relicは、小売業のオブザーバビリティをさらに加速させる機能として「Pathpoint」を新たに提供。「システムもビジネスのためのもの。ビジネス視点でシステムが動いているか、システムの問題がビジネスにどう影響するかを把握する、それを支援するのがPathpoint」と齊藤氏。
Pathpointはビジネスオブザーバビリティのための機能で、ビジネスチームと技術チームは、システムのパフォーマンスによるビジネス影響をリアルタイムで把握でき、ソフトウェア投資判断やタスクの優先度づけにつなげることができる。
小売業においては、サイトにアクセスして商品を選び、カートに入れて購入、配送業務をするという一連のビジネスプロセスの健全性をリアルタイムに可視化。さらに、ビジネスプロセスの各段階で対応するシステムを関連付け、ビジネスに影響する問題を特定。小売業を悩ますサイロ化も、組織やシステム横断で、問題の切り分けを迅速化することで解消できる。
実際のPathpointの画面では、ビジネス・業務のプロセス毎に、システムの重要指標とその状態を判定する要素を一元化、連動してビジネスKPIも表示される。問題が発生した際には、シームレスに原因調査の画面へドリルダウンすることも可能だ。