だが、2024年度(2024年1月~12月)は巻き返しを図る姿勢を示す。
発表した2024年度通期業績見通しは、売上高が前年比1.4%増の132億円、営業利益が1億5000万円と黒字転換を見込むほか、経常利益は1億5000万円、当期純利益は1億円とすべての利益項目で黒字転換を目指す。
寺尾社長は、「2024年度は、なにがなんでも、通期での黒字回復を達成する」と意気込む。
黒字転換に向けた施策が、「売上総利益率の改善」、「固定費の圧縮」、「家電カテゴリーの積極的な展開」の3点だ。
1つめの「売上総利益率の改善」では、2024年度の売上総利益率を31.8%とし、4.9ポイントの改善を目指す。そのために、昨今の事業環境にあわせた価格構造によって設計した製品を投入することになる。つまり、いまの為替レートであっても収益を確保できるモノづくりを進めるというわけだ。
「円安は膠着していくと予測しているが、そうした為替水準でも成長が可能な事業基盤を確立していく」と語る。
すでに、2023年に投入した新製品やリニューアルした製品は、円安の市場環境にあわせた価格構造を採用。2023年6月にBALMUDA The Rangeをリニューアルしたのに続き、11月にはBALMUDA The Toasterおよび同Proをリニューアルしたが、これらは、原価および販売価格の適正化を図りながら、品質の向上を実現した製品群であり、利益確保にも貢献することになる。
2024年度は、売上総利益の改善によって、年間6億9600万円の営業利益の改善効果を見込んでおり、これが黒字化に向けた原動力となる。
「新たな価格構造を持った製品群に入れ替えることで、売上総利益率の改善とともに、売上高の伸長にもつなげたい」と意気込む。
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