イーサネットでプリンターを共有するようになり
出番が減っていったセントロニクスI/F
そんなセントロニクスI/Fだが、まず大規模オフィスなどで次第に使われなくなった。オフィスではプリンターがないのは不便だが、だからといって全部のPCに全部プリンターをつないでいたら邪魔でしょうがない。そこで次にプリンターを台車に載せて、必要なところに引っ張っていってつなぐとか、プリンタをつないだPCにフロッピーを持っていって、印刷はそのPCで行なうなどいろいろな運用レベルの回避策(?)が取られたが、ここでさんぜんと登場したのがプリンターバッファである。
現バッファロー、旧メルコが大きく飛躍したのがプリンターバッファで、これは単にPCとプリンターの間に入って、印刷データを一旦蓄えておき、早めにPCを開放することですぐにPCが作業に移れるようにするものだったが、この後継製品では複数のPCを1つのプリンターバッファにつなぎ、プリンター共有が可能になった。
ただこれでは結局オフィスの中を、プリンタケーブルが這いまわることになる。先ほど示した15mのケーブルも、こうしたオフィス内を引き回すのには最適だったわけだが、やっぱり邪魔である。結果、LANが登場するとこのあたりが急に変わることになった。
Netwareで簡単なサーバを1台立ち上げて、そのサーバーにプリンターをつなぐ(これはセントロニクスI/F経由)ことでLANでつながったPCならどれでも印刷ができるようになったし、そのうちLANのI/Fを持つプリンターなどが登場し、プリンターサーバーなしで直接イーサネット経由で印刷が可能になると、ますますセントロニクスI/Fの出番が薄れるようになった。
特にイーサネットに関しては、レーザープリンターの登場で印刷データ量が圧倒的に増えると、もうセントロニクスI/Fベースではどうにも遅すぎて仕方がないということで、一応サポートはしているもののイーサネットでの接続を推奨という具合に変わってきた。ちなみにイーサネット以外の解決策として、SCSI I/Fで接続するプリンターというものもあった(あまり流行らなかったが)。
そしてとどめはUSBである。USB 1.1ですらLow Speedで1.5Mbps(187.5KB/秒)、High-Speedで12Mbps(1.5MB/秒)の転送速度なので、普通にプリントするには十分であり接続も簡単である。
RS-232-CやSCSI、GPIBなどに比べると設定項目は少ない(基本つなげば動く)という感じだったが、ケーブルの取り回しや着脱は圧倒的にUSBの方が楽であり、またプリンターのネットワーク対応が進んだことで長距離引き回しの必要がない(遠い所に設置する場合はイーサネットでつなぐ)といったことにより、RS-232-C同様に2010年ごろにはもうセントロニクスI/Fはオプション扱いになり、昨今ではまず見かけなくなった。業務用にはまだ生き残っているRS-232-Cとは対照的である。

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