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Honda、マイクロモビリティ「Honda CI」の実証実験で交通事故ゼロの社会を目指す

2024年02月10日 15時00分更新

文● 栗原祥光(@yosh_kurihara) 編集●ASCII

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◆交通事故ゼロの社会を目指して

 続いて「Hondaは何がしたいのか? 何を目指しているのか?」について話を進めましょう。

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交通事故ゼロを目指すHonda

安井氏「すべての人に生活の可能性を拡がる歓びを提供する、Hondaの2030年ビジョンの1つになります。そして私たちは交通事故ゼロを目指しております。交通事故のない社会の実現をしたうえで、いつでもどこでもどこへでも、人と物の移動を自由自在に意のまま行なうことが、人の行動を支えていき、新たな移動の歓びに溢れた日常を実現してまいります」

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Hondaは知能化モビリティで自由な移動の喜びを提供したいとしている

安井氏「私たちは自動運転技術により、長距離をラクに移動できる、日常の短距離の移動を安全快適にできる、運転の苦手な方に自動運転または運転支援のサポートをしていく。また事故ゼロに向けて、もしもの時には自動で事故を回避するといった研究をしています。具体的には、AIで外界のリスクを認識し、ドライバーに認識してあげて、気づいていない場合にうまくサポートするという技術です」

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様々なシーンでの協調行動をするための高度なAIが必要

安井氏「高精度技術に頼った自動化技術では、やはり走れるエリアに限界が出てきます。いつでもどこでもどこまでもを実現するためには、高精度地図に頼らない環境認識が必要になってきます。また、予知予測技術も必要となってきます。さらに高速道路の合流など、譲り合いなどといった協調も必要になってきます」

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Honda CIの概念

安井氏「それを実現するものが、私達が研究しているHonda CI(Cooperative Intelligence)になります。HondaのCIはユーザーと回りの人とAIが、互いに意図と行動を分かり合いながら協調で行動するAIになっております」

 つまり、AIを活用して交通事故のリスク低減を目指すとともに、自動運転をも実現しようと考えているわけです。自動運転に関してHondaは世界で初めて自動運転レベル3機能(Honda SENSING ELITE)を搭載した市販車を販売した実績もあることから、Honda SENSING ELITEにHonda CIを加えれば、全速度域において自動運転が実現できるというわけです。

今後はマイクロモビリティの需要が高まる

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Hondaは今後、マイクロモビリティの必要性が高まると予想している

 さらにHondaは、将来のモビリティにも目を向けているようです。高齢化社会により2030年以降、労働力は不足しますし、高齢者の認知能力低下や運転に不安を抱く方はもっと増えてくるでしょう。その一方で、街中でのマイクロモビリティの需要は高まってくるとHondaは予想しています。

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短距離利用の例

 事実、都市部のビジネスマンは短距離の移動にタクシーを使う人が多いと言います。その距離は都市部で3.3km、地方で4.5km程度。つまり、クルマの移動は意外と短いのです。また、最近は電動キックボードシェアリングも増えてきましたが、それもこうした背景によるものと安井氏は推測します。

 高齢者の立場からすると、公共交通機関を利用するにしても階段などがあるため、利用しづらい側面があります。そのため、平面の移動が非常に重要になってきます。

安井氏「高齢者の方は300mや500mの買い物に行くために自動車を使うという方もいます。その理由を尋ねると、荷物があるからという解答が最も多く、荷物がなければ歩きたいという声も多いのです」

 これは現在850万人と言われている高齢者の食品アクセス(買い物困難者など)問題にも直結する話。農林水産省によると全国1741の市区町村のうち、87.2%が対策の必要性と認識しており、常総市もそのひとつです。

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実証実験の内容

 そういった背景から、高精度地図を使わずに自動運転をする搭乗型マイクロモビリティ「CiKoMa」と、荷物を代わりに持って歩行者に追従、または先導をするマイクロモビリティロボット「WaPOCHI」を開発。実用化に向け、一般に向けた実証実験を開始したというわけです。

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Honda CIのコア技術

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Honda CIは地図レス協調運転と意図理解・コミュニケーションという2つの柱で成り立つという

 これらには、地図レス協調運転と意図理解・コミュニケーションというHonda CIモビリティのコア技術が搭載されているとのこと。それぞれについて説明しましょう。

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