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アップルのARグラス「Vision Pro」でスマホの次がハッキリ見えた! 「WWDC23」特集 第35回

【自腹レポ】アップル「Vision Pro」をハワイで買った。その美点と価値はどこにあるのか(西田宗千佳)

2024年02月05日 08時00分更新

文● 西田 宗千佳 編集●飯島恵里子/ASCII

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付属のバッテリー。外付けであることよりも重いことが気になる

課題はあれど大きく確かな未来への一歩

 もちろん課題は多々ある。

 一番わかりやすいのは「重い」ということだろう。本体は600gあって、さらに別にバッテリーが353gとなっている。まとめて持つとノートPC並みの重量だ。

 少し暗いところではビデオシースルーの画質が落ち、解像感も失われがちになる。視線認識による操作は極めて正確だが、それでも不安定な状態になることがある。

 なにより、現状はアメリカ版のみであり、日本のApp Storeが使えない。それでいて3500ドル(およそ51万9300円)という高価さ。多くの人にはあまりに大きなハードルだろう。

 だが、使えないほど重いわけではないし、画質も悪くはない。ツッコミは入れられるが、Vision Proがもたらしている「空間全部をディスプレイにする」という価値を無意味にするほどではない。

 今後いかに軽くするか、快適にするかというチャレンジはあるし、もっと安くなってもらわなければ困る。だが、アップルが目指している「PCやスマホでできることを、別のベクトルでもっとリッチに」という狙いが、着実かつ確実に進んでいることは間違いない。

 

筆者紹介――西田 宗千佳
 1971年福井県生まれ。フリージャーナリスト。得意ジャンルは、パソコン・デジタルAV・家電、そしてネットワーク関連など「電気かデータが流れるもの全般」。取材・解説記事を中心に、主要新聞・ウェブ媒体などに寄稿する他、書籍も多数執筆。テレビ番組の監修なども手がける。主な著書に「生成AIの核心:「新しい知」といかに向き合うか」(NHK出版)、「メタバース×ビジネス革命 物質と時間から解放された世界での生存戦略」(SBクリエイティブ)、「ネットフリックスの時代」(講談社)、「ソニー復興の劇薬」(KADOKAWA)などがある。

 

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