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PCからエッジ、データセンターまでのソリューションを紹介、「Lenovo Tech World Japan '23」

AIワークロードが分散化していく未来にどう備えるか ― レノボ

2023年12月06日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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ISVパートナーと業種特化型のターンキーAIソリューションも

 レノボ・エンタープライズ・ソリューションズの多田氏はまず、100兆円の規模がある企業ソフトウェアのグローバル市場のうち、将来的にはAIソフトウェアがおよそ5分の1(22兆円)を占めるようになるという予測を紹介した。「つまりこれからの企業にとって、AIソフトウェアをセキュアに実行できるプライベートな環境は重要であり、かつ必須になるということ」(多田氏)。実際に、企業のAI投資も急加速しつつある。

 檜山氏も触れたとおり、レノボではAI処理に最適化されたPCやサーバーの提供に加えて、ISVパートナーと共にターンキーAIソリューションを提供する「Lenovo AI Innovators」や、AIエキスパートの知見を活かしてセキュリティの担保、ハルシネーションの軽減などのベストプラクティスを提供する「Lenovo AI Discover」を提供している。

 ここで登壇したLenovo AI Innovatorsプログラムのアジアパシフィック代表を務めるアナンダ・バタチャージー氏は、レノボが同プログラムを通じてターンキーソリューションを提供することで、明確なAI戦略や高度なAIスキル人材を持たない企業であっても容易にAI活用に踏み出せることを強調した。

 「AI領域の市場を見ると(ISVの側も)スタートアップが多く、イノベーティブなテクノロジーを持っていても規模がない。そこでレノボが支援して、すぐに使えるソリューションとして提供可能にする」(バタチャージー氏)

「Lenovo AI Innovators」プログラムを担当する、Lenovo Asia Pacific HPC and AIのアナンダ・バタチャージー(Ananda Bhattacharjee)氏

 同プログラムでは現在、50社以上のパートナーと150以上のAIソリューションを提供している。小売、製造、スマートシティ、金融、ヘルスケアなど、業種特化型のソリューションもラインアップしていると紹介した。そのひとつ、小売業向けの損失防止AIソリューション(スーパーマーケットのセルフレジで商品スキャンの失敗を警告する)は、米国のスーパーチェーン、Krogerで採用されているという。

すでに業種特化型も含む150以上のターンキーAIソリューションを展開している

 もうひとつ、多田氏は「AIのある場所にデータを移動させるのではなく、データのある場所にAIを配置すべき」という考え方から、エッジへのAIワークロード展開における要件に触れた。

 その要件とは、すでにエッジ配置されているPOS端末、メディアサーバー、IoTゲートウェイなどを「統合」して管理すること、高度なAI処理も可能にするため、データセンタークラスの「性能向上」を図ること、工場や店舗といった設置現場にフィットしたハードウェアを選択して「柔軟な設置/運用」を可能にすること、の3つだ。

 まとめとして多田氏は、レノボではAIに最適化された幅広いプラットフォームソリューションを展開していることに触れて、講演を締めくくった。

データセンターからエッジまでのデバイスとソリューションを展開

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