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「Lenovo Tech World 23」で新製品やNVIDIA、マイクロソフトなどとのパートナーシップ強化を発表

“AI for All”を掲げるレノボ、その「ハイブリッドAI」ビジョンとは

2023年10月26日 07時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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テキサス州オースティンで開催された「Lenovo Tech World 23」

 レノボは2023年10月24日と25日、米国テキサス州で年次カンファレンス「Lenovo Tech World 23」を開催した。今年のテーマは“AI for All”。ビジネスや生活に大きな変革をもたらすAI/生成AIのパワーを、あらゆる企業や個人が利用できる世界を作る、というものだ。

 基調講演では、個々の企業や個人に最適化された生成AIアプリケーションを、機密データ/プライバシーデータを保護しながら実現していく、レノボの「ハイブリッドAI」ビジョンを紹介したうえで、その実現に向けた新ソリューションやパートナーシップ強化などが発表された。本記事では新発表を中心にその概要をレポートする。

基調講演に登壇した、レノボ 会長兼CEOのヤン・ユアンチン(Yuanqing Yang)氏

異なるタイプの基盤モデルを融合させる「ハイブリッドAI」ビジョン

 基調講演冒頭、ヤン氏は“AI for All”というテーマを受けて「レノボでは誰もがアクセスできる、インクルーシブで“誰も取り残さない”AIの開発にコミットしてきた」と述べた。「それを誇りに思うと同時に、まだレノボはその旅路の端緒に就いたばかりだという謙虚な気持ちにもなる」(ヤン氏)。

 ヤン氏は今後、“AI for All”を実現する包括的なターンキー型AIソリューションを提供していくと説明したうえで、レノボとしての具体的なビジョンを紹介した。それが「ハイブリッドAI」ビジョンだ。

 これはAI、特に生成AIのパワーを十分に引き出し、そこから大きな成果を得るためには、タイプの異なる複数の基盤モデル(Foundation Model)をハイブリッドで扱う(融合させて使う)必要がある、という見方に基づくビジョンである。

 その「タイプの異なる基盤モデル」の代表例として、ヤン氏は「パブリック基盤モデル」「プライベート基盤モデル」「パーソナル基盤モデル」の3つを挙げて説明する。

タイプの異なる「パブリック基盤モデル」「パーソナル基盤モデル」「プライベート基盤モデル」(ここでは『エンタープライズ基盤モデル』と呼んでいる)を提示

 OpenAIの「ChatGPT」のような、クラウド上で一般に公開されており、誰でもアクセス/利用できるタイプの基盤モデルが「パブリック基盤モデル」だ。この基盤モデルは、インターネット上にある膨大な量の公開情報を使ってトレーニングされており、パラメーター数は1000億~2000億に達し、幅広い一般知識を備えた非常に強力な存在だ。ただし、一方では「ジレンマもある」とヤン氏は説明する。

 「パブリック基盤モデルを使って、たとえば自社のビジネスについての正確な答えを出したい場合には、リアルなビジネスデータや機密情報などをクラウドに(モデルの開発元、サービス提供側に)開示しなければならない。個人が利用する場合も同様で、自分のプライベートな情報を提供することになる」(ヤン氏)

 生成AIをめぐるこの“ジレンマ”は、最近ではよく知られていることだ。機密情報や個人情報の漏洩を防ぐために、ChatGPTなどのサービス利用を禁止/制限する企業や組織もある。

 加えて言えば、パブリック基盤モデルは一般的な知識しか学習しておらず、個々の企業のビジネス状況や戦略、ユーザー個々人の嗜好や特徴などに最適化されているわけではない。

 そこで登場するのが「プライベート基盤モデル」「パーソナル基盤モデル」という概念である。個々の企業/組織のナレッジを追加学習したものがプライベート基盤モデル、個々人のナレッジを追加学習したものがパーソナル基盤モデルだ。レノボではこれらを「エンタープライズAIツイン」「パーソナルAIツイン」とも表現している。

 いずれも機密情報やプライベートなデータをクローズドな環境内に留めたままで生成AIのパワーが得られ、アクセスできる組織/ユーザーも限定できるというメリットがある。企業のプライベート基盤モデルであれば自社のデータセンター内、そしてパーソナル基盤モデルであればPCやタブレット、スマートフォンといった個人のデバイス内で処理を完結させるイメージだ。

プライベート基盤モデルは、パブリック基盤モデルに個別企業の情報を追加学習させた基盤モデルのイメージだ

 こうした新しいタイプの基盤モデルを組み込んだアプリケーションで、どんなことが実現するのか。その一例として披露されたデモでは、従業員個人の情報や嗜好(居住地近くの空港、好みの航空会社、座席位置など)を加味して最適な出張予約をしてくれるチャットボット、自然災害の発生時に自社のサプライチェーンにどのような影響があるのかを、SCMやERPのデータを参照しつつ回答してくれるシステムなどが紹介された。

プライベート/パーソナル基盤モデルにより実現するアプリケーションのデモ

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