トーナメントロックスイッチやケーブル固定の内蔵ロックも便利

押しやすい大きさと配置のボタンがいい! レバーレス「Razer Kitsune」を使って感じたこと

文●八尋 編集●ASCII

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「Razer Kitsune」

 対戦格闘ゲームをプレイする際、パッド型のコントローラーのほかに、アーケードコントローラーという選択肢がある。アーケードコントローラーといえばレバーとボタンが付いているのが主流だったが、最近ではボタンのみのレバーレスコントローラーも人気だ。

 レバーがあるアーケードコントローラーでは、レバーによって方向入力をするが、レバーレスコントローラーでは、その操作をすべてボタンで行なう。レバーだと正確に方向を入力するには結構練習が必要だし、初心者だと入力エラーが起こりやすい。しかし、レバーレスコントローラーの場合は、すべてボタン操作となるため、比較的エラーが起こりにくいと思っている(もちろんより正確にするには練習は必要だが)。実際に私の場合もそうだった。

 そんな人気のレバーレスコントローラーの市場に参入してきたのが、ゲーミングデバイスやパソコンなどを販売するRazerだ。その名も「Razer Kitsune」。発売後に即完売したが、最近では在庫が復活している。直販価格は4万8880円。

 私も最近は「ストリートファイター6」をプレイする日々を送っているので、Razer Kitsuneを購入した。まだ届いて2週間ほどではあるが、今回はどのようなコントローラーなのかを紹介したい。

個人的オススメポイント1:薄いボディーで持ち運びが楽!

コンパクトで薄いボディーは持ち運びや収納がしやすい

 アケコンやレバーレスコントローラーといえば、ボディーが大きく持ち運びが大変なイメージがある。しかし、Razer Kitsuneはおよそ幅210×奥行296×高さ19.2mm。かなり薄く、かなり持ち運びやすい。加えて、ゲームをプレイしていないときに収納しやすいのもありがたい。

 レバーレスコントローラーやアケコンが大きいのには、理由があると思っている。それは、膝の上に置いて使う用途が想定されているため、膝の上に置いたときにぐらつかないように重心をしっかりさせるためだと個人的には考えている。

 そういう意味でいうと、Razer Kitsuneは不安になったが実際に使ってみると、ぐらつくこともなくしっかりと使えた。理由は底面にある。Razer Kitsuneの底面の大部分には滑り止めが付いている。これにより、操作中にぐらついたり滑ったりしないというわけだ。

底面のほとんどが、滑り止めとなっている

 また、最初はほかのアケコンと比べて筐体が薄いので慣れが必要かなとも思っていたが、そういうこともなく自然と使うことができたことにも驚いた。

個人的オススメポイント2:ボタンが大きく配置もいい

ボタンは比較的大きめで押しやすい。アクチュエーション距離が短いのも魅力的

 これは個人的に一番気に入っているポイントなのだが、大きなボタンで配置も人間の手をしっかりと考えて作られているなと感じる点だ。まず、なにより押しやすい。そして、結構な時間練習しても疲労が少ないということに最近気づいた。

 これは、レバーレスコントローラーに慣れたということかもしれないが、それでもほかのレバーレスコントローラーと比べて、使用後に疲れたと思うことが減ったように思える。恐らくRazer Kitsuneに手を添えた際に、ちょうど指が各ボタンの上にくるように設計されているからだと感じる。手の大きさによるかもしれないが、私の場合はボタン配置がとてもしっくりときているように思える。

 また、1つ1つのボタンについてもこだわって作ってある。Razer Kitsuneに採用されている薄型オプティカルスイッチは、アクチュエーション距離を短くしてあり、高精度かつ高い応答性を実現してある。押し心地は柔らかめでかつしっかりと押した感があるのも魅力的。この押しやすさと反応速度の速さが、Razer Kitsuneの最大の魅力だと感じるほか、レバーレスコントローラー初心者にもオススメできるポイントとなる。

個人的オススメポイント3:トーナメントロックスイッチ搭載

左から、PSボタン、L3ボタン、R3ボタン、アーケードコントローラーモードスイッチ、トーナメントロックスイッチ

 操作以外のボタンは、クリエイトボタン、オプションボタン、タッチパッド、PSボタン、L3ボタン、R3ボタンがある。「ストリートファイター6」のトレーニングモードでは、クリエイトボタンでリセット(キャラクターの配置や各ゲージを元に戻す)、オプションボタンで設定を開く、R3ボタンでレコード開始・終了、L3ボタンで再生が可能となっている。

左から、クリエイトボタン、オプションボタン、タッチパッド

 加えて、アーケードコントローラーモードスイッチとトーナメントロックスイッチも搭載。アーケードコントローラーモードスイッチは、PS5とPCの切り替えが可能で、トーナメントロックスイッチは、オンにすると操作ボタン以外を無効にできる。

 対戦格闘ゲームの大会に出る場合、操作を誤ってメニュー画面を開いてポーズにしてしまうと、その時点で負けになるときがある。そういったミスを防ぐためについているのが、このトーナメントロックスイッチというわけだ。最近ではプロじゃなくても出場できる大会も開催されている。そういった大会に出場したいときに、安心できるのはうれしいポイントではないだろうか。

個人的オススメポイント4:ケーブルを固定する内蔵ロックも搭載

ケーブルを固定する内蔵ロックを搭載

 Razer Kitsuneは、持運びしやすいようにケーブルは着脱可能なType-Cケーブルを採用している。着脱可能となると不安になるのがプレイ中に外れてしまうということだが、Razer Kitsuneの場合はケーブルを固定する内蔵ロックを搭載している。ケーブルの差込口にカバーがあり、これを開いてケーブルを差し、閉じてロックをすれば、ケーブルが外れないようになっている。

 これにより、対戦中にケーブルが外れてしまうということがないのはありがたい。このあたりは、さまざまなゲーム用デバイスを販売しているRazerらしい、持運びも想定した工夫がなされているなと感じる。

個人的オススメポイント5:デザインがカッコいい

Razer CHROMA RGBを採用

 私がRazer Kitsuneを買ってみようかなと最初に思った理由が、カッコよさだ。全体がブラックで統一感があり、アクセントとして側面にカスタム可能なRazer CHROMA RGBを採用している。

 このシンプルで高級感のあるボディーと、ゲーミングデバイスらしいRGBライトが、最初にほしくなった理由の1つだ。

個人的イマイチポイント1:指紋や手汗が目立つ

 実際に使ってみて、感じたのが、指紋や手汗が目立つという点だ。対戦格闘ゲームをプレイしていると、どうしても手に汗握る緊張感のある対戦が多い。その際に、ボタン以外の場所に触れると手汗が付いたり、指紋が付いたりする。これが結構目立つのだ。

 自宅で使用している分にはあまり気にしなくて済むのだが、例えば写真で撮ってSNSに上げるといった際には、指紋はあまり目立たないほうがいい。写真撮影を想定している場合は、しっかりとメンテナンスをしておいたほうがいい。

個人的イマイチポイント2:やはりちょっと高い

 レバーレスコントローラーの場合、もっと高額なモデルもあるのでそこまで気にならなかったが、やはりコントローラーに5万円弱となると、高く感じてしまう。私の場合はレバーレスコントローラーがほしいというタイミングでデザインに一目惚れし、今のところ満足しているが、今後もし対戦格闘ゲームはもういいやってなってしまった場合は、とても高い買い物になったなと感じるであろうと思っている。

 とはいえ、今のところ満足度は高いし、対戦格闘ゲーム熱は下がっていないので、このまま使い続けようと思っている。

持ち運び・収納しやすいレバーレスコントローラーがほしい人に!
レバーレスデビューにもオススメ

 Razer Kitsuneは、大きなボタンと配置により入力しやすく、ボディーの薄さにより持ち運びや収納がしやすいのが大きな魅力だと感じる。今後オフライン大会にも参加してみたいと考えている人にとっては、このサイズ感はとてもありがたいのではないだろうか。

 また、対戦格闘ゲーム初心者の私が押しやすいと感じているので、レバーレスアケコンデビューにも、個人的にはオススメだ。4万8880円という価格がハードルになるかもしれないが、これから本気で「ストリートファイター6」を始めとした対戦格闘ゲームを楽しみたい! という人は、チェックしてみてはいかがだろうか。

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