解像度を切り替えできる高輝度ディスプレー搭載です

世界初のデュアルモード・ミニLEDディスプレー搭載の最強ゲーミングノートPC「Razer Blade 16」実機レビュー

文●写真 ジャイアン鈴木 編集● ASCII

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 Razerは世界初の「デュアルモードミニLEDディスプレー」を搭載した16型ゲーミングノートPC「Razer Blade 16」の販売を開始した。

 ディスプレーは解像度とリフレッシュレートを両立させることは難しい。そこで本製品では、UHD+の3840×2400ドット/120Hzと、FHD+の1920×1200ドット/240Hzという2つのモードを切り替えることで、1台で高解像度とハイリフレッシュレートを両立している。

 またバックライトにミニLEDを採用し、最大輝度を1000ニトとすることで、鮮やで、かつ黒の締まったグラフィックを表示可能としている。

 もちろんCPUは「Core i9-13950HX」、ディスクリートGPUは「GeForce RTX 4090」が選択可能。まさに最強のゲーミングノートPCに仕上げられているのだ。

“世界初のデュアルモード・ミニLEDディスプレー搭載の最強ゲーミングノートPC「Razer

「Razer Blade 16」44万9800円~71万6800円

“世界初のデュアルモード・ミニLEDディスプレー搭載の最強ゲーミングノートPC「Razer

天面にはRazerおなじみのロゴが点灯する

“世界初のデュアルモード・ミニLEDディスプレー搭載の最強ゲーミングノートPC「Razer

今回はCore i9-13950HX/RTX4090/RAM32GB/1TB+1TB SSD/Dual UHD+ FHD+ Mini-LEDという最上位構成を借用している

GPUは4060から4090までを網羅
ディスプレー選びが悩みどころ

 Razer Blade 16には下記の5モデルがラインナップされている。ディスプレー、ディスクリートGPU、メモリーとストレージ容量が異なる。

☆QHD+ 240 Hz/GeForce RTX 4060/RAM16GB/1TB SSD
     44万9800円
☆QHD+ 240 Hz/GeForce RTX 4070/RAM16GB/1TB SSD
     49万9800円
☆Dual UHD+FHD+ Mini-LED/GeForce RTX 4070/RAM32GB/1TB SSD
     54万9800円
☆QHD+ 240 Hz/GeForce RTX 4080/RAM32GB/1TB SSD/RAM32GB/1TB SSD
     59万9800円
☆Dual UHD+FHD+ Mini-LED/GeForce RTX 4090/RAM32GB/1TB+1TB SSD
     71万6800円

 あらためてスペックを解説すると、OSは「Windows 11 Home」、CPUは第13世代(Raptor Lake)の「Core i9-13950HX」で24コア[Pコア×8+Eコア×16]、32スレッド、最大5.50GHz、55Wだ。

 ディスクリートGPUは「NVIDIA GeForce RTX 4090 Laptop GPU」または4080、4070、4060を採用。メモリーは32GBまたは16GB(DDR5-5600)、ストレージは1TB+1TBまたは1TBのPCIe Gen4 x4接続SSDを搭載している。

 16インチディスプレーは、今回試用しているのが「デュアルモードミニLEDディスプレー」UHD+/3840×2400ドット/120HzまたはFHD+/1920×1200ドット/240Hz、16:10、最大輝度1000ニト、100%DCI-P3、3ms、非光沢。ほかに、QHD+で2560×1600ドット、240Hz、16:10、最大輝度500ニト、100% DCI-P3、3ms、非光沢を用意する。

 ディスプレー上部にはFHD IRウェブカメラ(Windows hello対応、プライバシーシャッター付き)とデュアルアレイマイクを内蔵。また、スピーカーはツイーター×2、サブ×2のTHX SPATIAL AUDIO対応 4スピーカーシステムが採用されている。

 インターフェースは、Thunderbolt 4、USB3.2 Gen2のType-C、USB3.2 Gen2のType-A×3、HDMI2.1、SDメモリーカードリーダー(UHS-II対応)、3.5mmコンボジャックを装備。ワイヤレス通信はWi-Fi6EとBluetooth 5.3をサポートしている。

 本体サイズは355×244×21.99mm、重量は2.45kg。バッテリーは95.2Whのリチウムイオンポリマーを内蔵。バッテリー駆動時間は「長時間」と記載されているが、具体的な数値は非公表だ。

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筐体は陽極酸化処理でマットブラックに仕上げたアルミニウム製。アルミブロックからCNCフライス加工で製造されている

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底面には吸気口、内部には冷却のため液体の蒸発と液化により効率よく静かに熱を放出する超高効率ベイパーチャンバーが内蔵

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デュアルモードミニLEDディスプレーと通常ディスプレーの2種類を用意

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Razer Chroma対応のRGBキーボードを採用。配列は日本語仕様で、Nキーロールオーバーに対応している

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本体前面(上)と本体背面(下)。底面から吸気して、背面から排気するエアフローだ

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右側面にはSDメモリー、Thunderbolt 4、Type-A、HDMI2.1、ケンジントンロック、左側面には電源端子、Type-A×2、Type-C、コンボジャックを用意

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ディスプレーの最大展開角度は実測131度

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パッケージには本体、ACアダプター、電源ケーブル、説明書類、ステッカー、クリーニングクロスが同梱

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ACアダプターのサイズは180×75×24.5mm。GaN(窒化ガリウム半導体)方式を採用することで、従来型より最大60%小型化したと謳われている。ACアダプターのコード長は実測195cm、電源ケーブルの長さは実測100cmだ

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ACアダプターの型番は「RC30-0484」。仕様は入力100V-240V~4.5A、出力19.5V 16.92A、容量330W

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本体の実測重量は2504g

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ACアダプターと電源ケーブルの合計重量は実測981g

解像度とリフレッシュレートを両立した
「デュアルモードミニLEDディスプレー」

 本製品最大の売りは「デュアルモードミニLEDディスプレー」。解像度を優先させる際にはUHD+(3840×2400ドット)/120Hz、リフレッシュレートを重視するときにはFHD+(1920×1200ドット)/240Hzへ切り替え可能だ。

 本製品試用前に気になっていたのが、ふたつのモードで画質に差があるかどうかということ。しかし、モードを切り替えて見比べたかぎりでは違いはまったくわからなかった。

 また、カラーキャリブレーション機器「i1Display Pro」で色域を計測してみても、コンマ1%という誤差程度の違いしかない。つまり画質は同等なので、解像度とリフレッシュレートだけでどちらのモードを使うか決めればいいわけだ。

 しいて不満を挙げるならモード切り替えに再起動が必要なことだが、ハイパフォーマンスな本製品ならたいして時間はかからない。実用上ストレスを感じることはないはずだ。

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UHD+モードとFHD+モードは、「Synapse3」の「システム→ディスプレー→ネイティブ表示モード」から切り替える。変更の際には再起動が必要だ

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UHD+/3840×2400ドット/120Hzモードで表示

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FHD+/1920×1200ドット/240Hzモードで表示

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UHD+/3840×2400ドット/120Hzモード時のsRGBカバー率は100.0%、sRGB比は150.4%。FHD+/1920×1200ドット/240Hzモード時のsRGBカバー率は100.0%、sRGB比は150.5%

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UHD+/3840×2400ドット/120Hzモード時のAdobeRGBカバー率は91.7%、AdobeRGB比は111.5%。FHD+/1920×1200ドット/240Hzモード時のAdobeRGBカバー率は91.6%、AdobeRGB比は111.6%

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UHD+/3840×2400ドット/120Hzモード時のDCI-P3カバー率は99.9%、DCI-P3比は110.9%。FHD+/1920×1200ドット/240Hzモード時のDCI-P3カバー率は99.9%、DCI-P3比は110.9%

 キーボードのキーピッチは実測19.2mm、キーストロークは実測1.3mm。キーストロークはやや浅めだが、アルミニウム製のシャーシは剛性が高く、打鍵感は良好だ。

 実測169.5×96.5mmと非常に広いタッチパッドは、親指の付け根などで触れたり、クリックしても意図せず反応することはない。そしてガラス製タッチパッドの滑りはよく、軽い力で正確に操作できる。

 もちろんゲームをプレイするならRazerなどのゲーミングマウスが必要だ。しかし、ビジネスアプリなど一般的な用途であれば、本製品のキーボード&タッチパッドで快適に作業可能である。

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キーピッチは実測19.2mm前後

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キーストロークは実測1.3mm前後

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Razer Chroma対応のRGBキーボードは「Synapse 3」で点灯方法を自由にカスタマイズできる

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タッチパッドの面積は実測169.5×96.5mm

 FHDウェブカメラはプライバシーシャッター付きで安心感が高い。閉じたときに赤い印が出てくるのもわかりやすくていい。肝心の画質については、RGBとIRのハイブリッド方式なのでややノイズが目立つが、室内灯下でも明るく、自然な発色で撮影できる。

 ゲーム配信などの際には別途カメラを用意することだろう。ビデオ会議用途であれば実用上十分なクオリティーを備えている。

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ディスプレー上部にはFHDウェブカメラ(Windows hello対応、プライバシーシャッター付き)とデュアルアレイマイクを内蔵

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Windows 11の「カメラ」アプリで撮影(HDRオフ)

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Windows 11の「カメラ」アプリで撮影(HDRproオン)

240Hzモードのリフレッシュレートを活かす
ハイパフォーマンスを発揮

 今回の試用機は、CPUに「Core i9-13950HX」、ディスクリートGPUに「GeForce RTX 4090」を搭載した最上位モデルだ。どれだけのパフォーマンスを発揮するのかベンチマークでチェックしてみよう。

 なお比較対象機種としては、Core i9-12900H/RTX3080Ti/RAM32GB/SSD1TB/4K(144Hz)という構成の「Razer Blade 17」を使用している。

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「HWiNFO64 Pro」で取得したシステムの概要

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今回のベンチマークは「Synapse3」で、CPUを「ブースト」、GPUを「高」、ファン回転速度最大モードを有効に設定して実施している。定常での最高速を見たいので、CPUオーバークロックは有効化していない

 まずCPU性能については、「CINEBENCH R23」のCPU(Multi Core)は28232pts、「CINEBENCH R20」のCPU(Multi Core)は10803ptsとなった。

 Razer Blade 17がR23は16022pts、R20は5924ptsだったので、Razer Blade 16はR23で約176%、R20で約182%相当のスコアを記録したことになる。CPUの世代が上がったうえに、HXプロセッサーとHプロセッサーの比較なので大きく差が開いたわけだ。

“世界初のデュアルモード・ミニLEDディスプレー搭載の最強ゲーミングノートPC「Razer

「CINEBENCH R23」のCPU(Multi Core)は28232pts、CPU(Single Core)は2027pts。「CINEBENCH R20」のCPU(Multi Core)は10803pts、CPU(Single Core)は780pts

 一方、3Dグラフィックス性能については、「3DMark」のTime Spyは19612、Fire Strikeは33259、Wild Lifeは113514、Port Royalは13814、「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK ver 1.3」(標準品質、1920×1080ドット、フルスクリーン)のスコアは18637(非常に快適)となった。

 Razer Blade 17がTime Spyは12733、Fire Strikeは26566、Wild Lifeは70219、Port Royalは8112、FF XVが15502だったので、Razer Blade 16はTime Spyで約154%、Fire Strikeで約125%、Wild Lifeで約162%、Port Royalで約170%、FF XVで約120%相当のスコアを記録したことになる。

 ディスクリートGPUの世代が新しく、さらに3080 Tiから4090にグレードもアップしているので、3Dグラフィックス性能も大差がついた。240Hzのリフレッシュレートを最大限に活用できるだけのパフォーマンスをきちんと発揮している。

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「3DMark」のTime Spyは19612、Fire Strikeは33259、Wild Lifeは113514、Port Royalは13814

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「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK ver 1.3」(標準品質、1920×1080ドット、フルスクリーン)のスコアは18637(非常に快適)

 今回の試用機にはPCIe Gen4 x4接続SSD「SAMSUNG MZVL21T0HCLR-00B00」が2基搭載されている。ストレージベンチマーク「CrystalDiskMark 8.0.4」を実施したところ、シーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)は6670MB/s、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)は4987MB/sとなった。

 MZVL21T0HCLR-00B00のシーケンシャルリード7000MB/s、シーケンシャルライト5100MB/sという仕様値にはやや届かなかったが、ゲームやクリエイティブアプリを動作させる際に、PCIe Gen4 x4接続ならではの最高クラスの性能の恩恵を受けられる。

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今回の試用機にはPCIe Gen4 x4接続SSD「SAMSUNG MZVL21T0HCLR-00B00」が2基搭載。ストレージベンチマーク「CrystalDiskMark 8.0.4」のシーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)は6670MB/s、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)は4987MB/s

 バッテリー駆動時間については、パフォーマンスモードを「バランス」、ディスプレー輝度を40%に設定して「PCMark 10 Modern Office Battery Life」を実行したところ、5時間51分動作した。

 ノートPC最高速クラスのディスプレーとCPU、GPUを搭載しているが、95.2Whの大容量バッテリーを搭載しているだけに、オフィスアプリならモバイルノートPCとして利用できるだけのバッテリー駆動時間を備えている。

“世界初のデュアルモード・ミニLEDディスプレー搭載の最強ゲーミングノートPC「Razer

「PCMark 10 Modern Office Battery Life」を実行したところ5時間51分動作した

クリエイティブワークもゲームも
最高スペックでこなせる
価格以上の価値ある1台だ

 本製品最大の売りはやはりデュアルモードミニLEDディスプレーだ。解像度とリフレッシュレートのどちらを優先させるかを選択できることは、クリエイティブワークとゲームのどちらも快適に利用したいという方にとって非常に魅力的な装備である。

 RTX 4070搭載機で比較してみると、メモリーが16GBから32GBで、通常ディスプレーからデュアルモードミニLEDディスプレーに変更して5万円アップだから、費用対効果は高い。

 今回の最上位モデルがお高いのは確かだ。しかし、クリエイティブワークもゲームも最適なディスプレーでこなせることを考えれば、価格以上の魅力がある1台だ。

 

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