S5シリーズと7シリーズが追加
2019年に入ると、ラインナップにS5シリーズが追加される。
厳密に言えばこれは新製品の追加というよりもリブランドというべきで、これまで組み込み向けとされていたEシリーズとアプリケーションプロセッサー向けとされていたUシリーズを、新たにE/S/Uの3つに再編。E5はそのままS5にシフトした格好だ。その意味では何も変わっていないと言えなくもないが、S54やE24など細かく製品が追加され、だいぶCPU IPベンダーらしい品ぞろえになってきた。
2020年になり、ここで初めて7シリーズが追加になった。
こういうマトリックス構造にするとわかりやすいが、実はE/S/Uのコアは基本的に同じで、Eは32bit命令のみ、Sは32/64bitの両対応、UはSにOSが動くためのサポートメカニズム(仮想記憶のサポートや、このために必要なMMUの実装など)を追加しただけである。
一方で2/3・5/7は内部構造で、2は2~3ステージの短い命令パイプラインで、性能よりも省電力性や省面積(というか省回路規模)を優先したもの。3・5はシングルイシューのパイプラインながら、5~6ステージとすることで動作周波数を引き上げやすい構造にしたもの。7がデュアルイシューのスーパースカラー(ただしインオーダー)構成で、より動作周波数を引き上げやすくするとともに性能向上を狙ったシリーズとなる。
この結果、Cortex-M7クラスに匹敵するE7シリーズやCortex-R5/7に相当するS7シリーズ、またアプリケーションプロセッサーとしてもCortex-A53クラスの性能に相当するU7シリーズなどがラインナップされたことで、だいぶ製品が充実するようになった。
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