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業務を変えるkintoneユーザー事例 第208回

kintone hiveの集大成として今年も6地区のファイナリストが集結

kintone AWARD 2023開催!kinjoyの光成工業とIT維新を起こした檜垣造船が登壇

2023年12月04日 09時30分更新

文● 柳谷智宣 編集● 福澤/TECH.ASCII.jp

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 2023年11月8から9日、幕張メッセにて開催された「Cybozu Days 2023」で、「kintone AWARD 2023」の発表が行なわれた。全国各地で開催されたkintoneのユーザー事例を共有するイベント「kintone hive」のファイナリストが集結、再度プレゼンをし、観客参加型の選考を経てグランプリを決定する。

 「kintone hive」は2015年から開催され、今年は4月の仙台を皮切りに、福岡、大阪、名古屋、松山、東京の6カ所で開催された。今年のAwardはそれぞれの地区のファイナリスト6社が登壇。まずは、最初の2社のレポートを紹介しよう。

恒例の「kintone AWARD 2023」が開催。今年のグランプリの行方はいかに?

Let's kinjoy!自分達らしさで社員を巻き込み売上を5億円アップさせた光成工業

 1社目には北海道・東北地区代表の光成工業 畠山成光氏が登壇。「kintoneで作るわくわく×ドキドキ 楽しい!を入り口に」というテーマでプレゼンを披露した。

 畠山氏は終始ハイテンションで、kintone×enjoyで「kinjoy」という言葉を独自に創り、ことあるごとに左手で「K」の字を表し、声高にポーズを決める。

 光成工業は岩手県一関市にある創業44年の製造業で、社員は約100名。主力製品は物流用の台車や産業用の棚であり、受注の半数以上が新規案件となのが特徴だ。

 冒頭からkintoneの導入効果を発表。年間売上を30%、5億円もアップし、紙を2万枚削減。70時間あった残業も0時間にしたという。強烈なインパクトで、つかみはばっちりだ。

光成工業の畠山成光氏

冒頭でいきなりkintoneの成果を発表

 同社はこれまで、情報が共有されず、「言った言わない」のトラブルが起き、現場の雰囲気はぎすぎすしていた。そこで、フォーマットを定型化し、新規にルールを作成、数百万円をかけて新システムも入れたが、うまくいかなかった。

 そんな中、2019年に社長の指示でkintoneを導入。様々な部署から4人のメンバーが集められ、kintone推進チームを発足した。チームは早速日報アプリを作成。しかし、入力率は18%にとどまってしまう。

kintoneが導入され日報アプリを作るも使われなかった

 社内にkintoneの使い方やメリットが伝わっていないと考え、全体朝礼で告知することに。4人のメンバーで手分けをして告知動画を1日で作成。現在の紙の日報を廃止し、2か月後にkintoneに切り替えることを周知した。そして、52日後のキックオフの時には、日報の原本をみんなで破くという衝撃的な儀式を執行する。数々の施策の甲斐があり、告知後は日報の入力率が2倍になり、キックオフ後にはさらに2倍になった。

 日報アプリの成功を受け、年間10回ほど開催している社内イベントもkintoneを使って盛り上げることに。リアル脱出ゲーム要素を備えた謎解きレクリエーションを実施し、iPadとkintoneをフル活用して、チーム対抗でクリアタイムを競ったそうだ。

社内向けの告知動画を作成し、その2か月後に原本を破くという儀式を執行

数々の作戦の甲斐あり、日報の入力率は81%に改善

 ある時、シニアのベテラン社員てるおさんから「はっぱ、めぇねじゃこぃず入れんのひで(全然、見えない。これは入力が大変だ)」との声が寄せられた。小さなスマートフォンの画面では項目の多い日報アプリの入力が大変だったのだ。

「この声に応えるために、個人専用の日報アプリを開発しちゃいました。てるおさんのためだけのアプリです。入力項目は最小限に、受注番号と時間のみです。そんなに少なくていいの、と思いませんか。我々の予実管理に必要なのは、その案件にかかった時間のみです。収集したい情報と目的がはっきりしていれば、簡単な日報でもいいんです」(畠山氏)

 メシウスのプラグインである「krewData」を利用し、てるおさん専用アプリと、関連アプリから必要な情報を集約する仕組みをとった。

「krewData」を使って個人専用の日報アプリを開発した

「わくわくドキドキがどんどん進化して、kinjoyは会社の文化になりました。自分らしさを大切にすることが成功の秘訣です。私たちは楽しくて、わくわくドキドキすることに全力で取り組みました。その結果、今では日々楽しく業務を行っています。kintoneを入れてよかった!kintoneありがとう」と畠山氏。最後は「Let's kinjoy」で締めた。

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