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銀行らしさは脱却しても、銀行であることは脱却しない

「iPhoneみたいな金融サービスを」から始まったみんなの銀行のイノベーション

2023年11月13日 09時00分更新

文● 福澤陽介/TECH.ASCII.jp

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 ワークスモバイルジャパンは、2023年10月19日、「LINE WORKS DAY 23 in 九州」を福岡にて開催。“つながる はじまる あなたの「いい仕事」”をテーマに、デジタル化・DX推進を進める上での考え方やヒントになるようなセッションが展開された。

 本記事では、「日本初のデジタルバンクから学ぶ旧態からの脱却とイノベーションの実現方法」と題した、みんなの銀行の取締役頭取である永吉健一氏のセッションの模様をお届けする。

みんなの銀行 取締役頭取 永吉健一氏

8年、4年、2年、デジタルの進化とあわせて変化の時間軸が早まっていく

 永吉氏は、セッションの冒頭、近年デジタルがもたらした影響や変化を示すべく、数枚のスライドを提示する。

 1枚目のスライドでは、左に、2005年のローマのバチカン市国にて、ヨハネ・パウロ2世を一目見ようと集まっている群衆の写真。8年経過した右の同じ場所の写真では、集まった群衆の手に無数のスマホが掲げられている。「iPhoneが普及し始めたのは2007年、そこから一気にガラケーからスマホに変わった。なにより、スマホと一緒に発展したSNSが撮影の価値を変えたことで、この光景を生まれた」と永吉氏は言う。

スマートフォンが変えた8年

 2枚目のスライドには、左に、2016年までの日本の一般的な風景として、蕎麦屋の出前の写真。右の写真の4年後には、Uber EatsやWolt、出前館といった、フードデリバリーが溶け込んだ風景へと変わっている。Uber Eatsが日本に上陸したのが2016年だ。「先ほどの半分の期間で、出前をとっていなかった人達にも、フードデリバリーが当たり前となり、蕎麦やピザだけではなく、サラダやハンバーガー、他国の料理まで、多様な料理が運ばれるようになった」と永吉氏。

フードデリバリーが変えた4年

 最後のスライドには、左に2020年に放映された半沢直樹の経営会議のシーン。右の写真は、2022年のiBankマーケティングの12の地域役員との会議の様子だ。コロナ禍をはさみ、たった2年で、社外の人達と当たり前に会議できるようになる。

 8年、4年、2年のデジタルによる変化が提示されたが、テクノロジーの進化にあわせて、変化の時間軸も早くなっている。「これらの変化は、インターネットやモバイル、SNS、クラウド、ビッグデータなど、さまざまなテクノロジーによりもたらされた。ルールチェンジだとかパラダイムシフトだとか、Uberizationだとか呼び方はいろいろあるが、これまで当たり前だと思っていたことが日常的に塗り替わっていく」と永吉氏は説明する。

オンライン会議サービスが変えた2年

どんなに魅力的な企業もディスラプト側にまわる時代に

 産業や業種の中で、こうしたデジタルイノベーションが起こっていくと、当然のようにこれまで安泰だったビジネスが裏返ることがある。「子供のころに商店街のおもちゃ屋さんに行くのが楽しみだった。しかし、郊外に出店したトイザらスに行くとものすごく沢山のおもちゃがあって、子どもや親は大喜びした。そのトイザらスでさえ、Amazonの登場により、アメリカでは倒産してしまう」と永吉氏は指摘する。

 金融業界、銀行業界も、AmazonやNetflixが業界をドラスティックに変えたところまではいかないが、確実に変化しているという。福岡銀行でも、コロナ前までの10年で、窓口に手続きに来る顧客が約3割減ったという。そしてコロナ禍を機に、そこからさらに約2割が減った。その顧客はどこにいってしまったかというと、その分、インターネットバンキングの利用が増えてきている。

銀行の窓口来店客数の減少とインターネットバンキングの利用状況

 ただ、銀行は何もしないまま、ディスラプト(破壊)されてしまうかというと、「そうはならない」と永吉氏。ここからは、変化をチャンスに変えたみんなの銀行の取り組みが紹介された。

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