2023年6月30日に劇場公開された映画『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』がRakuten TVで配信開始。考古学者にして冒険家の“インディ・ジョーンズ”が因縁の宿敵である元ナチスの科学者フォラーと世界を股にかけて伝説の秘宝の争奪戦を繰り広げる、まさにシリーズ最新作にして最高傑作、そして最大にして最後の冒険となった。
「インディ・ジョーンズ」シリーズの第1作『インディ・ジョーンズ レイダース 失われたアーク《聖櫃》』が公開されたのは1981年。『スター・ウォーズ』のジョージ・ルーカスと『ジョーズ』『未知との遭遇』のスティーブン・スピルバーグがタッグを組んだ最初の作品で、主演は『スター・ウォーズ』でハン・ソロを演じたハリソン・フォード。考古学者で、大学で教壇に立ちながら、秘宝を求めて世界中を飛び回り、謎を解き、危険な目に遭いながらも敵に立ち向かう姿は観る者をワクワクさせた。
物語の舞台は第二次世界大戦前の1936年。旧約聖書に記されている「十戒」が刻まれた石板が収められている神秘の力をやどす聖櫃(契約の箱)を巡って、ナチスを相手に争奪戦を展開。世界中に眠っている秘宝を狙って“盗掘”する者が多く登場するが、ジョーンズは私利私欲で秘宝を求めているわけではなく、博物館など“しかるべく場所”に収めるのが、学者である彼の目的。聖櫃の場所を特定するために必要なものを取りに立ち寄ったネパールから騒動がすでに起こり、聖櫃のあるエジプトのカイロでは何度も命を落としそうになる場面も。ジョン・ウィリアムズによるテーマ曲が物語を盛り上げ、ヒロイン役のマリオン(カレン・アレン)の存在も欠かすことのできないピースとなっている。
2作目の『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』は1984年に公開。物語の舞台は1935年なので、1作目より前の話になる。中国・上海に、ヒマラヤの奥地の村から誘拐された子供たちがとらわれている。その子供達と秘宝を奪い返すために邪教集団と対決するという物語。“聖なる石”の発掘現場からトロッコに乗って脱出を試みるシーンはスピード感があってスリリングで、第2作の大きな見どころの一つ。野球帽を被った少年ショート・ラウンド(キー・ホイ・クァン)を相棒に、ナイトクラブの歌手ウィリー・スコット(ケイト・キャプショー)をヒロイン役に物語が展開するが、キー・ホイ・クァンは本年の「第95回アカデミー賞」助演男優賞を「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」で受賞し、プレゼンターを務めたハリソン・フォードと交わした熱いハグが大きな話題となった。ウィリー役のキャプショーは1991年にスピルバーグ監督と結婚している。
3作目の『インディ・ジョーンズ 最後の聖戦』は1989年に公開。若きインディ(リヴァー・フェニックス)とインディーの父親(ショーン・コネリー)が登場し、インディの過去などが明らかになる。書斎派の父親とアウトドア派のインディとの対比を見るのも面白い。
4作目『インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国』はそこから少し時間が経過して2008年に公開。前作まではナチスが敵だったが、1957年の東西冷戦時代が舞台ということで敵はソ連“KGB”のスパイたち。南米アマゾンの山奥に眠る神秘的なパワーを持つ“クリスタル・スカル”を巡って、ソ連の精鋭部隊と争奪戦に。1作目のヒロイン“マリオン”の再登場もインディファンを喜ばせた。
そして5作目の本作へと続く。“人類の歴史を変える力”を持つ究極の秘宝、それが“運命のダイヤル”。宿敵・元ナチスの科学者フォラーと陸・海・空の全方位で争奪戦が繰り広げられる。過去4作品のいろんな場面を思い出すようなシーンが色々と散りばめられていて“集大成”感もたっぷり。1作目からずっと“観る者をワクワクさせてきた”アクションは健在で、難しく考えたりせず、スピード感やテンポ感を楽しみながら最後の冒険を観て味わってもらいたい。