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衝撃の実話を基にした『ハウス・オブ・グッチ』が描く事件と、主演のレディー・ガガが着用したきらびやかな衣装の数々

2022年06月04日 11時30分更新

文● 及川静

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 フィレンツェで創立され、現代のファッションブランドの元祖と言われているGUCCI。その創業者一家が崩壊する衝撃の実話を基にした映画『ハウス・オブ・グッチ』がRakuten TVで配信中だ。

 監督は巨匠リドリー・スコット、主演は初主演映画『アリー/スター誕生』でアカデミー賞主演女優賞にノミネートされたレディー・ガガ。きらびやかなファッション業界の陰でうごめく、30年にもわたる愛憎劇が描かれる。

 物語はレディー・ガガ演じるパトリツィア・レッジャーニが、GUCCI創立者の孫であるマウリツィオ・グッチ(アダム・ドライバー)と出会うことから始まる。当時のマウリツィオは家業に興味がなく、弁護士を目指す青年だったが、パトリツィアは彼に夢中になる。品がよく、紳士的で自分の周りにはいないタイプのマウリツィオに純粋に惹かれたのかもしれないが、彼の名前を聞いた瞬間にパトリツィアの目の色が変わったようにも見える。そこからパトリツィアの猛アタックが始まり、マウリツィオも社交的な彼女に魅了されていく。

 序盤は、父親に運送会社の娘であることを理由にパトリツィアとの交際を反対されたマウリツィオが家を出て、パトリツィアの父親の会社で働くなど純愛を貫く2人。しかし、グッチ家の承認を得ぬままに結婚し、子どもも生まれると状況が変わってくる。父親のロドルフォ(ジェレミー・アイアンズ)は孫ができたことを喜び、息子と和解し、マウリツィオはパトリツィアが操るままに家業に携わっていく。さらにパトリツィアは叔父のアルド(アル・パチーノ)に取り入り、その息子でブランドのお荷物であるパオロ(ジャレッド・レト)を手玉に取り、マウリツィオを3代目社長に押し上げていく。

 2人の結婚生活は順風満帆に見えたが、パトリツィアの野心は留まるところを知らず、徐々に2人の関係にも影が差し始める。その結果、彼女は最悪の結果を選択してしまうのだった。サラ・ゲイ・フォーデンによって書かれた伝記小説を基に映画化されているが、最後の事件は紛れもない事実。たった1人の女性がここまでのことを本当に行なったのかと驚くが、まさに事実は小説より奇なりである。

 題材がファッション業界だけあって、きらびやかなファッションの数々が映画を彩っている。レディー・グッチことパトリィア用に用意された衣装は、全部で70スタイル。パトリツィアは映画でも描かれているように、元々グッチを好んで着用していたわけではなかったそうで、そこでリドリー・スコットは、イタリアの往年の女優ジーナ・ロロブリジータから着想を得て、当時のラインを意識した衣装をオーダーしたそうだ。その後、マウリツィオが家業に乗り出してからは、一眼でGUCCIとわかるGGモノグラムの衣装を着用。

 GGキャンバスに同系色のレザーを配した1969年のチュニックは、グッチのアーカイブコレクションから提供されたもの。また、「G」ロゴパターンの70年代のバッグや、90年代のバンブーバッグなども登場するので、GUCCIファンにとっては別の意味でたまらない一作かもしれない。

公開日
6月4日11時

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