◆路面の振動を拾いがちだが乗り心地はかなりイイ!
それでは走らせてみましょう。まずはギアのポジションをPからDに……としたいところですが、これが懐かしのゲート式で不慣れなゆみちぃ部長は四苦八苦。そしてポジションのインジケーターはスマホトレイ近くにあるため、結構見づらかったりします。ですがゲート式の方がバックとドライブの入れ間違えなどは発生しづらいと思うのでいいのかなと。
さらに苦しめたのがパーキングブレーキ。電子式に慣れてしまっているためか、ボタンを押しながら上に少しあげて……という動作を忘れてしまって「解除できません!」と半泣きでした。
悲喜こもごもの思いを乗せて、C3 エアロクロスは発進。「なんか、めちゃくちゃ乗り心地がいいですね!」と感嘆の声をあげるゆみちぃ部長。クルマの中にソファを持ち込んだ、という表現がピッタリで、ドイツ車から乗り換えると、ホッと心が和む座り心地。車内装備と相まってカジュアルリビングという言葉がピッタリ。
ですが、マジックカーペットのような乗り心地かというと、それはちょっと違っていて。盛大にロールするし、存外細かな振動は拾いがち。なかでもハイスピードなコーナーの手前にあるスピードバンプで、角張った衝撃がハンドルやペダルを通じ体に伝わってきます。その振動をシートが癒やしてくれるという雰囲気。これは高速道路を用いた長距離移動ほど効果を発揮。接地感があり、安定度の高い足だから疲れづらいのです。ちなみに風切り音やロードノイズはそれなり、といったところ。
全高の高さはアイレベルの高さにつながり、前方視界は良好。一方、Aピラーは最近の国産車と比べると太めで、それが少し気になるとは部長の弁。「それも強いて言えば、であって、まったく気にならないですよ」というように、原稿のために重箱の隅をツンツンしたら……といったレベルのこと。
ディーゼルエンジンで気になるのはメカノイズやフィーリング。これが実に調律されて、少し前のガソリンエンジンと遜色ないところに驚き。神経を尖らせれば、ゼロ発進時に少しのショックを感じましたが、走り始めたら乗用車フィールそのもの。ややモッサリとした感覚なのは、いわゆるエコモード的な燃調マップによるものと思われます。というのも、スポーツモードにしたら一気に解消されたから。これは意外と楽しいかも!
高速道路に乗ったらクルーズコントロール。欧州車の常で、右手側のステアリングホイールにはなく、指の感覚でポチポチと押すタイプ。つまりボタン配列がわからないと「これどうやって動かすの?」と迷うこと間違いナシ。で、部員Kもゆみちぃ部長も「あれ? あれれ?」で、結局よくわからないまま。
さて、気になる燃費です。今回は街乗りが1/3、残りは高速道路という感じの236.9kmを走行しました。使った軽油は18L。「イマドキ、軽油はリッター143円もするのか……」と燃料高騰に驚きながら計算すると、リッター13.161kmと判明。「おいおい、リッター20km超えという話はどうなってるんだ?」と思われそうですが、これは部員Kがスポーツモードでガンガン踏んで遊んでしまったから。燃費なんて乗る人、乗り方で変わるものです。
◆日常生活の足として最適なクルマ
ガンガン踏んで低燃費走行をした人間がいうのも何ですが、このクルマの本質は、峠を攻めるような走りではなく、日常生活圏でトコトコと走らせたり、友達と楽しくキャンプ場に行ってBBQをして帰ってくるとか、そういう用途にピッタリなのは間違いありません。シトロエンの快適な座り心地に、誰もが満足するでしょう。
普段遣いにちょうどいい車を探されている方に、C3 エアクロスは良き選択肢になりそう。「部員Kさん、相当気に入られていますね」と悪魔のような笑顔をみせるアイドル部長。そうなんです、仕事のクルマとしてC3 エアクロスは、かなり魅力的なのです。「確かにこういう車で仕事の送迎とかしてもらったらうれしいかも」とゆみちぃ部長。マネージャーさん、社用車にシトロエンのC3 エアクロス、いかがですか? 荷物も載りますよ!
最後に価格。シトロエン C3 エアクロスのシャインBlueHDiグレードで372万5000円、上位のシャイン パックBlueHDiが402万3000円。取材したクルマにはオプションが加わって440万2000円! 国産BセグSUVと比べ、プラス150万円といったところで、国産CセグSUVが視野に入る金額です。装備面で「もう少しこうしてほしい」という部分がないわけではありませんし、調べてみるとちょいちょいと値上げされているようです。
確かに「ちょっとお高いなぁ」と思うのですが「これじゃなければダメ」という魅力はしっかりあって、その魅力はプライスレス。シトロエンもいいじゃん! そんな事を思ったのでした
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