
KDDI auマネ活プラン
携帯電話会社による料金競争が新たなフェーズに突入した。
KDDIは同グループ内にある銀行や証券会社の利用を組み合わせることで、au PAY残高を還元する「auマネ活プラン」を9月1日より開始する。
例えば、データ使い放題プラン(税込7238円)に、光インターネット回線(税込1100円割引)、さらにauマネ活プランとしてau PAYカード(月額300円還元)、auじぶん銀行口座保有(月額300円還元)、au PAYカードもしくは銀行振込で通信料金の支払いをすること(月額200円還元)で、毎月800円分のau PAY残高が還元されるというものだ。
これにより、月々の通信料金は税込5338円になる。
ここ最近、各携帯電話会社で取り入れられている「シンプルな料金プラン設計」からはほど遠く、かなりわかりにくい建て付けになってしまうが、auユーザーでauじぶん銀行やau PAYカードをすでに持っているユーザーからすれば、それなりに魅力的なプランと言えるだろう。
金融意識の高まりが背景に
KDDIがauマネ活プランを導入する背景には、国民の金融に対する関心が高まってきている点が大きい。岸田政権となり「貯蓄から投資へ」という政府方針が打ち出され、2021年1月からは新NISA制度も始まる。高校では金融教育が必修化されるなど、若年層を含むあらゆる世代で金融意識が高まっているのだ。
KDDIは2008年に三菱UFJ銀行とともに「auじぶん銀行」を立ち上げ、auカブコム証券を持ち、プリペイカードからQRコード決済に発展した「au PAY」、さらにau PAYカードも875万枚の発行枚数を誇り、「auフィナンシャルホールディングス」として金融分野の会社をまとめてきた。
ここで一気に金融でユーザーを囲い込もうという狙いのようだ。
auマネ活プランは単に月額800円還元されるだけでなく、通信料金をau PAYゴールドカードで払えば、1年間限定となるが、還元率が10%から20%に上乗せされる。au PAYやau PAYカードでの決済での還元率も上がる。また、普通預金の金利があがり、クレカよる投信積み立ても還元率が上がるなど、あらゆるところでおトク度が増しているのだ。
KDDIがここまで金融を強化している背景にあるのは、やはり、auへのシナジーが大きく、解約率が下がるというのが大きいだろう。

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