日本新聞協会、日本雑誌協会、日本写真著作権協会、日本書籍出版協会の4協会は8月17日、生成AIに関する共同声明を発表した。
声明では生成AIを構築、発展させる際、既存の著作物を学習データとして用いている点に着目。現行の著作権法では生成AIによる学習を著作権者が拒否できるのか解釈が不明確な上、海賊版コンテンツの学習も禁じていないため、権利侵害コンテンツが大量に流通する恐れがあるにも関わらず、著作権者に実効的な救済策が示されていないとしている。
さらに、こうした状況が続くと人間による創作機会の喪失やクリエイターの経済的な困窮だけでなく、AIが学習元コンテンツと類似性の高いコンテンツを生成することで、AI利用者が意図せず権利侵害行為をしてしまう可能性もあると指摘。生成AIが文化の発展を阻害しないよう、技術の進化に合わせた著作権保護策が検討されるべきとして、4協会と関係当局との間で意見交換の場を設けることを提案している。
現行の著作権法では第30条の4で著作物の利用の可否について定めているが、同条を根拠に生成AIの学習を拒否できるかは明確化されていない。
編注:文中の法律用語について、より正確な表現に修正しました。(2023年8月21日)