驚異的な小ささが自慢できる
レガシーデザインの「Tiny TV2」
2022年秋に米国Kickstarterでバッカーを募集していた「Tiny TV2」というクラウドファンディングモノを速攻でバックした。ご存じの読者も多いが、このTiny TV2は米国オハイオ州でマイクロサイズのハンディゲーム機「Thumby」を企画販売しているTinyCircuitsの商品だ。
バックした当初の出荷予定は2023年の3月のはずだったが「クラファン事情」で何度かスケジュール遅延があり、最終的に筆者が受け取ったのは8月初旬だった。お約束通り木製のスペシャルパッケージに収められてTiny TV2とUSB Type-Cケーブルプロダクトカード、デカールなどが届いた。
Tiny TV2の特徴は、なんと言ってもThumbyゲーム機と同様その筐体が名前通りバカらしいほど小さなことだ。初めてThumbyを見た知人のほとんどは、カプセルトイだと思って疑わない。スイッチを入れて電源を入れ、小さな液晶画面にゲームが表示されて動きだすと99%の人はびっくり仰天する。
今回のTiny TV2も同様のリアクションを期待できる。Tiny TV2は1960年代に日本の一般家庭に白黒テレビが浸透始めたころのレガシーな外観だ。そしてそのリアルサイズは47.6×36.6×25.9mmと、高さは単三乾電池や安価なUSBメモリーより低く、クレジットカードと比較すると全体がスッポリと隠れてしまう。
サイズ的には現実サイズの10分の1〜12分の1程度なので、ほかのミニチュアサイズのアイテムと並べてドールハウスに置いても、自然なバランスだ。本体のカラーリングは、ブラウンカラーのウッド系とシルバーグレーのプチ・チープなABSイメージのコンビネーション。レガシーカラーの組み合わせが格好良い。
操作系の電源オン/オフスイッチ(天板上)と音量ダイアル(前面左)、チャンネル切替ダイアル(前面右)、そしてその中央にスピーカーを配置。キモのブラウン管風の液晶画面(IPS TFT 65K Color、1.0インチ 216x135 pixels)を中央に搭載している。
Tiny TV2はプロセッサーとしてRaspberry Pi RP2040を搭載。3.7Vのリチウムポリマー充電池(150mAh)でAVIビデオの再生を約2時間可能だ。内蔵ストレージは8GB搭載している。音声再生用として16×9mmサイズのスピーカーをディスプレー下に配置しており、背面には充電とファイル転送のためのUSB Type-Cポートが用意されている。
最初の充電が終われば「百聞は一見に如かず」なので、実際の再生画面を観てみるとTiny TV2の楽しさが分かるだろう。以前このコラムでもご紹介したタカラトミーアーツの「昭和スマアトテレビジョン」も似たイメージだ。Tiny TV2はイチから作り込んだ単体で動作する製品だが、昭和スマアトテレビジョンは内部にスマホを入れるハリボテ仕様の製品だ。
大人の指先でチャンネルを切り替えるのはけっこう手間だが感動もある
Tiny TV2は音量コントロールやチャンネルの切替を、指先で小さなツマミを回転して実現できるように作られている。しかし子供やスマートな細い指の女性ならまだ可能だろうが、太い指先の大人の男性ならなかなか難易度の高い操作だ。必ず本体をもう一方の手で押さえる補助動作が必要だ。
Tiny TV2にはオプションの「小さなリモコンユニット」も提供されている。当然筆者もTiny TV2と同時にバックした。リモコンユニットも実測寸法は長さ35.3×幅16.6×厚さ9.7mmとウルトラコンパクトだ。
しかし残念ながらTiny TV2本体と比較すると、バランス的には体積では10倍くらい大きく感じるが、実際に人が指先で操作することを考えると限界の小ささだろう。リモコン装置でTiny TV2を操作してみると嘘のように快適だ。
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