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連載:今週の「ざっくり知っておきたいIT業界データ」 第89回

IT市場トレンドやユーザー動向を「3行まとめ」で理解する 6月24日~6月30日

ソフト/クラウド契約に「不満」が8割、2022年国内クラウド市場は38%成長、クッキーへの抵抗感は、ほか

2023年07月03日 08時00分更新

文● 末岡洋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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 本連載「ざっくり知っておきたいIT業界データ」では、過去1週間に調査会社などから発表されたIT市場予測やユーザー動向などのデータを、それぞれ3行にまとめてお伝えします。

 今回(2023年6月24日~6月30日)は、ソフトウェア/クラウド契約の不満、個人情報とクッキーに帯する意識、ハイパーコンバージド(HCI)システム市場、アプリケーションパフォーマンス管理(APM)市場、クラウド市場の動向についてのデータを紹介します。

■[クラウド]8割がソフトウェア/クラウド契約に不満、料金値上がりへの対応は「他ベンダーに移行」(ガートナージャパン、6月28日)
・ソフトウェア/クラウド契約に「不満」は80%以上
・不満の内容は「値上がり」「サービスレベルが不透明」など
・値上げへの対応は「他ベンダーへの移行」が最多

 ソフトウェアやクラウドプラットフォームの契約上の不満について尋ねた。「特に不満はない」は20%弱で、残る80%以上は何らかの「不満」を抱えていると回答した。不満の内容として多く挙がったのは「ライセンス/サブスクリプション料金の値上がり」「サポート」「サービスレベルが不透明」など。値上げへの対抗策は「他ベンダーへの移行/移行検討」が最多で、「納得のいく説明を求める」「価格上昇幅の上限をあらかじめ交渉」などが続いた。

契約上の不満、具体的な内容としては「料金の値上がり」が上位2つを占めた(出典:ガートナージャパン)

値上げへ対抗策としては「他ベンダーへの移行」が最も多く挙がっている(出典:ガートナージャパン)

■[HCI]ハイパーコンバージドシステム市場は2022年~27年、CAGR4.7%で成長(IDC Japan、6月26日)
・国内ハイパーコンバージドシステム市場の2022~27年の年間平均成長率(CAGR)は4.7%
・2027年の支出額は670億1400万円と予想
・ITインフラ運用/管理の効率化、迅速な導入などの特徴が成長を後押し

 2023年の国内ハイパーコンバージドシステム(HCI)市場は、サプライチェーン制約により積み上がった受注残解消、コロナ後の経済活動再開やプロジェクト再開により需要が堅調に推移すると予想。同市場の支出額は2022~27年、CAGR 4.7%で成長し、2027年は670億1400万円まで成長すると予測する。IDCでは「HCIはオンプレミスITインフラ刷新の中核的な役割を担う見込み」と述べている。

国内ハイパーコンバージドシステム(HCI)市場の支出額予測(出典:IDC Japan)

■[プライバシー]APAC調査、「クッキーを収集するウェブサイトを避ける」は72%(Twilio Japan、6月28日)
・企業とソーシャルメデイアの個人データ共有に「抵抗なし/無関心」は71%(APAC平均は57%)
・「すべてのクッキーを受け入れる」とした回答者は68%(APAC:76%)
・データ漏洩が起きたら個人データ共有継続を「あまり望まない」は38%(APAC:42%)

 日本、シンガポール、豪州など6市場・合計1500人の消費者を対象に、サードパーティクッキーの廃止に着目した調査を実施、「アジア太平洋地域(APAC)における消費者データの変革」としてまとめた。個人データ共有によるパーソナライズ体験のメリットを多くの人が評価しており、49%(APAC:65%)が「インタラクションが改善する」と認める。さらに71%(APAC:57%)が、ソーシャルメディアが企業・ブランドと個人データ共有することに「抵抗なし/無関心」と回答した。ただしクッキーについては、57%(APAC:72%)が「クッキーを収集するウェブサイトを避ける」と回答した。

APAC地域の消費者が積極的に個人データを共有するチャネルは、公式Webサイトが69%でトップ、ソーシャルメディアは51%だった(出典:Twilio Japan

自分の個人データがどのように使用されているのか理解しているかについて。日本は「十分理解している」は10%とAPAC最低レベルとなった(出典:Twilio Japan

APAC全体のクッキーに対する考え方(出典:Twilio Japan

■[APM]2022年度のAPM市場は19%増、SaaS型が急成長し2025年度にはパッケージを上回る(アイ・ティ・アール、6月27日)
・アプリケーションパフォーマンス管理(APM)は2022年度、前年同期比19%増
・SaaS型のAPMは42%増加、パッケージ型は5%
・2022年~27年のCAGR(年平均成長率)は18%

 2022年度の国内APM市場は、前年度から19.7%増加の71億3550万円を売り上げた。市場認知度の向上、システムのWeb化により顧客接点の品質がビジネスに影響が大きくなっていることなどにより、2023年度も18.4%増で成長すると予想している。提供形態別では、SaaSの売上高が前年度比42.1%増と、パッケージを上回る成長を見せた。現状ではパッケージの売上高規模のほうが大きいが、2025年にはSaaS市場が逆転すると予想している。

APM市場規模の推移。2025年はSaaS(水色)がパッケージ(青)を上回ると予想している(出典:ITR)

■[クラウド]国内クラウド市場、2022年は前年比38%増で成長、2023年は成長鈍化を予想(IDC Japan、6月27日)
・2022年の国内クラウド市場は5兆8142億円、前年比37.8%増
・2023年は成長鈍化へ、市場規模は7兆円越えで従来型ITを超える規模に
・2022~27年の年間平均成長率(CAGR)は17%

 国内クラウド市場調査。従来型ITからクラウドへと順調に推移しており、2022年は前年比37.8%増の5兆8142億円となった。2022年は製品/サービスの単価上昇、ハードウェア供給不足からの回復などが成長要因となっていたため、2023年には成長が鈍化すると見込むが、それでも市場は7兆円を超え、従来型IT市場を超えると予想する。2022年から27年までCAGR17.9%で成長し、2027年の市場規模は2022年の約2.3倍となる13兆2571億円を見込む。成長の牽引役が「クラウドマイグレーション」から「DX/データ駆動型ビジネス」に移行しているとも報告する。

国内クラウド市場の売上額推移予測、濃い青はDX/データ駆動型ビジネスで、薄い青はリプレース/効率化(出典:IDC Japan)

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