「こってりMAX」
天下一品
6月12日全店販売
1210円
https://www.tenkaippin.co.jp/max/
「こってり」が、さらにこってりに
どんなお店でも新メニューという存在には惹かれるものですが、定番メニューの“進化”となると、なおさら興味をそそられるのではないでしょうか。
中華そば専門チェーン店「天下一品」は、“こってりよりもこってり”とした「こってりMAX」を、6月1日から58店舗にて先行販売を開始しています。全店販売は6月12日から。
天下一品の代名詞ともいえる「こってり」が、さらにこってりになった新商品。“こってりよりもこってり”をキャッチフレーズに一部店舗で販売されていた「絶品MAX」が名前を改めた商品だそう。
最大の魅力は、なんといっても、いつも以上にこってり感が増したスープ。
さっそく、先行販売している店舗に行ってきました。普通麺か細麺かを聞かれたのですが、個人的な好みで細麺をチョイス。並盛1210円、大盛1400円でした。定食のラーメンもプラス270円でMAXに変更可能とのこと。
天下一品といえばこってり、こってりといえば天下一品。それの“MAX”といわれれば、期待してしまう人も多いはず。でも、結局、食べるべき1杯なのでしょうか? そこを確かめてみましょう。
味のバランスに大きな変化はなし
そのまま濃くなったと思えばよろしい
見ての通り、いつものこってりと構成要素は同じです。麺も同じ、具材も同じ。何が違うかと言われれば、もう、スープの濃厚さに尽きるでしょう。
こってりした味わいの中に、舌の上にざらついて感じられるほどの濃度(粒度)と、野菜のしっかりした旨味が感じられます。「それって、通常のこってりと同じじゃん」と思った人は、ある意味で正解。
いつものこってりが、さらに濃くなった。それだけといえばそれだけですが、しかし、それこそが最大の個性。
わかりやすくいえば、いつものスープの濃厚さが1.5倍ぐらいになった感じです。味の構成を大きく変えているとか、具材が異なっているとか、そういうことではないのがポイントでしょう。
より“こってり”したことによって、今まで以上に、麺にスープが絡むようになりました。その結果、麺をすすっている際の食べごたえはさらに増したと思います。
スープの味(というか、コク)が濃くなったこと以上に、麺にドロリと絡んでくることによって、口の中に“こってり”が押し寄せてくる感じが強烈。これが、こってりMAXの魅力といえますね。
何しろスープがどろっとしているので、卓上の調味料を入れても、それがますます麺に絡みます。たとえば、天下一品名物の「からし味噌」を入れると、いつも以上に麺に絡みます。とにかく、麺に絡みます。しつこいようですが、麺に絡みます。
こってりMAXという名前の通り、「いつものこってりが、そのまま濃くなった」という風情。天下一品の定番メニューなので、変に味のバランスをいじっていないのが、功を奏しているのではないでしょうか。愛されるポイントはそのままに、より押し出しが強くなっています。
「こってりMAXか……気になるけど、どうしようかな?」と考えていた人も、そこまで悩まなくてよいでしょう。いつもより濃いものが食べたいならこってりMAXにすればいいですし、そんなに濃くなくても……ということなら、通常のこってりでいいのです。
あとは、ちょっと高額なところをどう考えるか。1000円を超えてしまうと、さすがに「いつもより濃厚です」以上の何かが欲しいと考える人もいるはずです。そのあたりは好き好きでしょうか。
天下一品に行く人は、(「あっさり」もありますが)独特のこってり感を楽しみたいわけで、それをさらに満喫できる点でこってりMAXは優秀です。天下一品といえばこってり、もっと濃厚ならさらに嬉しい……と考えるなら、「食べるべき」ですね。
とにかく、「通常より、さらに、こってりしている。その分、値段は高い」という、思った以上にわかりやすいラーメンになっています。「食べるべきなのか?」と思ったら、そのあたりを考えて判断していただければ、後悔しないでしょう。
モーダル小嶋
1986年生まれ。「アスキーグルメ」担当だが、それ以外も担当することがそれなりにある。編集部では若手ともベテランともいえない微妙な位置。よろしくお願い申し上げます。
この連載の記事
-
第14回
グルメ
リュウジ監修カップ麺 「おいしいけど、でも……」と思ってしまう惜しい味 -
第13回
グルメ
豚骨のコクはあるが、地味かもしれないカップヌードル「豚骨シーフード」 -
第12回
グルメ
「日清ドロラ王 ドロ、コッテリ、鶏白湯」名前の通りのクオリティー、ただ価格がね…… -
第11回
グルメ
「日清ゲーミングカップヌードル」“カフェイン入り”焼そば ゲームのお供にいいかもしれない -
第10回
グルメ
特上カップヌードル4種類食べ比べ 本当に“特上”と感じたのは? -
第9回
グルメ
三田製麺所「濃厚煮干しつけ麺」濃厚だけどバランスよし -
第8回
グルメ
カップヌードル「イタリアンシーフード」 “シーフードヌードルの派生”と思わないほうがいい -
第7回
グルメ
懐かしすぎる! カップヌードル「スパイシーカレー」今となってはスパイシーじゃないかもだけど -
第6回
グルメ
今のうちに「日清ラ王 牛骨味噌」を食べておくべきである -
第5回
グルメ
カップヌードル「海鮮コチュジャンチゲ味」を地味にリピートしてしまう理由 - この連載の一覧へ