日本がAIをリードできるか
そんな中、5月19日からはG7広島サミットが開催され、「世界経済」の文書の中に生成AIが盛り込まれました。外務省で発表されている該当部分は以下の通りです。
「デジタルについて、G7首脳は、G7の価値に沿った生成系AIや没入型技術のガバナンスの必要性を確認するとともに、特に生成系AIについては、『広島AIプロセス』として担当閣僚のもとで速やかに議論させ、本年中に結果を報告させることとなりました。
また、岸田総理から、『人間中心の信頼できるAI』を構築するためにも、『信頼性のある自由なデータ流通(DFFT)』を具体化させるべく、閣僚レベルの合意に基づき、国際枠組の早期設立に向けて協力を得たい旨述べました。これを受け、岸田総理は、議長国として相応の拠出も含め、貢献していく旨述べました。」
今年中に、日本が中心となって世界各国の情報をまとめるようです。また、国際的な枠組みを成立させていくことも掲げられました。ただ、アメリカとEUとは明確にレギュレーションの枠組みを巡って官民を巻き込んだ対立を始めようとしています。国際間でのつばぜりあいが強くなっていく中、日本が各国をまとめていくことができるのかは、まだはっきりとはわかりません。
生成AIは単に企業だけでなく、それぞれの国家にとっての、次の時代の富へとつながる重要な技術であるということが、全世界に認識されつつあることが明確になりつつあります。
この連載の記事
-
第61回
AI
画像生成AI“児童ポルノ”学習問題、日本では表現規制の議論にも -
第60回
AI
3Dアニメーション技術の革新が止まらない -
第59回
AI
政府、生成AI推進に向けて議論を加速 -
第58回
AI
画像生成AIで同じキャラクターが簡単に作れるようになってきた -
第57回
AI
日本発のリアルタイム画像生成AIサービスが熱い 大手にとっては“イノベーションのジレンマ”に -
第56回
AI
画像生成AIの著作権問題、文化庁議論で争点はっきり -
第55回
AI
動画生成AIの常識を破壊した OpenAI「Sora」の衝撃 -
第54回
AI
画像生成AI、安いPCでも高速に 衝撃の「Stable Diffusion WebUI Forge」 -
第53回
AI
日本発の画像生成AIサービスがすごい 無料アップスケーラー「カクダイV1」 -
第52回
AI
美少女イラスト、AI技術で立体化 ポケットサイズの裸眼立体視ディスプレーが人気に -
第51回
AI
“生成AIゲーム”急増の兆し すでに150タイトル以上が登録 - この連載の一覧へ