「BIOHAZARD RE:4」では8GB版には厳しい?
「BIOHAZARD RE:4」では、レイトレーシングを含め画質系はすべて最高に設定。ストランドヘアーも有効とした。ゲーム序盤で訪れる教会のある村〜次の集落へ続く道を移動した際のレームレートを計測。レイトレーシングを利用する関係上、GTX 1060 6GBは検証対象から外している。
RTX 4070のファーストレビュー時の検証では、最高画質設定だとVRAM 12GB未満でゲームが落ちまくったが、時を経て改善が進んだのか、VRAM 6GB環境でも最後まで落ちずにキッチリ完走できるようになった。とはいえ、VRAM 12GBのRTX 4070以外のGPUでは、要所要所で最低フレームレートが大きく落ち込む。このようなVRAM大食らいのゲームはゲーム全体からすると少ないものの、NVIDIAはこのようなゲームに対処するためにRTX 4060 Ti(16GB)を準備しているというわけだ。
最高画質設定だとRTX 4060 Ti(8GB)はRTX 3060 Tiを下回るフレームレートを示しているが、これはメモリーバス幅のハンデも大きなボトルネックであることを示している。
最新かつ重量級のゲームを最高画質で楽しむというのはRTX 4060 Ti(8GB)のようなメインストリームGPUには厳しい問題だ。ならば、アップスケーラーを利用した場合はどうなるだろうか? BIOHAZARD RE:4はDLSS SRやFGには対応していないが、FSR 2(AMD FidelityFX Super Resolution 2)は利用可能である。そこですべての解像度においてFSR 2“パフォーマンス”設定を加えて検証したのが次のグラフとなる。
RTX 4060 Ti(8GB)〜RTX 3060 Tiの最低フレームレートの優劣が解像度ごとに違うが、これはカク付きが激しく出るため、どのGPUも大差なく“ガクッと引っかかる感じで動く”という感じになる。FSR 2“パフォーマンス”なのでフルHDの縦横半分の解像度でレンダリングされた後アップスケールされるのだが、FSR 2もカク付きを解消できるほどのものではなかった。
実際、「HWiNFO Pro」で“GPU Memory Allocated”を追跡してみと、フルHD+FSR 2使用時ですらRTX 4060 Ti(8GB)のVRAMは7.5GB弱消費されていた。よってRTX 4060 Ti(8GB)で本ゲームを楽しむには、もっと画質を下げてVRAMへのプレッシャーを下げる必要があるだろう(あるいは7月の16GB版発売まで待つか、だ)。
解像度が下がるとTBPも劇的に下がるが、RTX 4060 Ti(8GB)の場合フルHDで113Wと非常に低い値が出ている。巨大なL2キャッシュのおかげでメモリーアクセス頻度は下がり、消費電力も減るというのが背景にある理屈となる。
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