アユートのブース。Jerry Harvery Audio(JH Audio)の新機軸「Pearl」システムを展示していたのが面白い。これは単体イヤホンではなく、いくつかのモジュールを組み合わせてプロエンジニア並みの音のチューニングを施せるモバイルリスニングシステムだ。
写真のシステムについて説明すると、左側のAstell & Kern製のポータブルプレーヤーで音楽を再生し、その音をアナログケーブルで黒いボックス(これがPearlらしい)に入力させる。このボックスはPCとUSB接続されていて、PC上でエンジニアリングコンソールのような詳細な音のチューニングができる(PCでは音の信号処理はせずにUIのみとなるようだ)。 このボックスからは新たな10ピン端子(低域2本、中域2本、高域2本、グランド1本、バランス2本、予備1本)でJH Audioのイヤホンと接続する。このボックスはPCと切り離してモバイルでも運用が可能だ。イヤホンには高域に4基のESTドライバーを持った開発中の機種が接続されていたが、従来の機種でも端子を変えれば使えるとのことだ。
また、サプライズでUltrasoneの「Pure」というモデルが展示されていた。これは「Signature DJ」とかつての名機「DJ1」のエッセンスを低価格で実現したもの。さらに新開発の“S-Logic 3”も採用されている。試聴してみると、DJモデルらしい低音の豊かさとS-Logicらしい音の広がりが印象的だった。 エミライブースでは、FiiOが「FW5」と「UTWS5」のLDAC対応を発表していたのが面白い。なぜかというと、これらの機種はクアルコムのSoCを使用しているが、通常のLDAC対応製品はアイロハのSoCで実装される場合が多いからだ。クアルコムの5000番台のSoCのライブラリー拡張機能を使用していると言うことだ。
また、「SP3」というFiiO初のパワードスピーカーも展示されていた。FiiO独自のアンプ設計を施し、デスクトップオーディオデバイスの「R7」とベストマッチするという。もちろんほかの機種と組み合わせた使用も可能だという。FiiOのラインナップの広がりがなかなか興味深い。
ミックスウェーブのブースには、Campfire AudioのCEOであるケン・ボール氏と副社長のケイレブ・ロズナウ氏が来日。新製品の「ANDROMEDA Emerald Sea」と「SOLARIS Stellar Horizon」を展示していた。
Astell & Kernと共同開発をした「Pathfinder」で培われたデュアルダイアフラムBAドライバー技術とラジアルベント技術の搭載によって、人気の定番製品を生まれ変わらせたものだ。自社で生産しているという斬新なパッケージにも注目したい。 サイラスは、Luxuary & Prescision(L&P)の最新スティック型DAC「W4」を展示した。これは「W2」のラインの製品だが、驚くことにW4ではL6P独自開発によるフルデジタルアンプICが搭載されている。ワンチップ設計のためか筐体がとても軽量で、試聴してみると透明感が高く低音の制動力の高いデジタルアンプらしい音だった。なかなかに興味深い機種と言い得る。
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