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アスキー画像生成AIイラスト研究会 第2回

画像生成AIをはじめると誰もが一度はチャレンジするテーマ

画像生成AI「Midjourney」でアニメ絵の似顔絵やアバターを作る方法

2023年04月30日 11時00分更新

文● ムラリン/編集 ASCII

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 このところ暇さえあれば画像生成AIを使っていろいろな画像を出力することにハマっているムラリンです。私が主に使っているのはMidjourneyなのですが、こうした画像生成AIを触りはじめた人が、誰でも一度はチャレンジするお題に、「自分の似顔絵やアバターを作る」というテーマがあります。

 絵画や色鉛筆画のような肖像画であればさほど難しくはないのですが、ほとんどの人が求めているのがアニメのようなタッチの似顔絵です。ところが、実のところAIにアニメタッチの自分の求める似顔絵を吐き出させるのはそれほど簡単ではなく、たいていは残念な結果が出力されるかまったく似ないかで挫折することになります。たぶん、この記事に目を止めてくいただいた方の中にも、そういった方が多くいらっしゃるのではないかと思いますが、今回はそんな方たちのために、いくつかアニメ調の似顔絵キャラクターを作成する方法をご紹介したいと思います。

 もし、本記事を参考に自分の似顔絵をMidjourney上で作ってみたい! という方は、ぜひこちらの記事も参考にしてください。Midjourneyの始め方と簡単な使い方を紹介した記事ですが、最後のページに、Discord上に自分だけのアトリエとして、専用サーバーを作る方法を紹介しています。本記事で紹介する方法に限らず、似顔絵生成では、必ず元となる顔写真をアップロードする必要があります。その際、多くの方が利用するMidjourneyやにじジャーニーのコミュニティサーバーで行なうのはあまり得策とは言えません。ぜひ、自分専用サーバーを作成してからチャレンジしてください。

●画像生成AI「Midjourney」の始め方・使い方

似顔絵作成法その1・describe & blend作成法

 どんな手順であろうと、画像生成AIで似顔絵を出力させる基本的な考え方は一緒で、

1.出力して欲しい人物の写真を用意し、AIに学習してもらう
2.その人物の特徴をAIに文章でも伝える
3.どんな風に描いて欲しいかを、AIに文章で伝える

 というステップになります。

 というわけで、これを前提にプロンプトを組んでいくわけですが、問題は[2]のその人物の特徴をAIに伝える文章を考えることです。そこでぜひ活用していただきたいのが、Midjourneyに最近追加されたコマンド、「/describe」です。

 「/describe」コマンドは、言わばリバース・プロンプト・エンジニアリングとも言うべきコマンドで、Midjourney.botに「/describe」コマンドを伝えると、アップロードした画像に何が描かれているかをAIが判断して、プロンプトとして提示してくれるという機能です。

 試しに、我らがアスキー編集部・つばさの写真を「/describe」してみます。

ご本人公認の実験使用写真。念のためお伝えしておきますが、つばさはフリー素材ではないのでみなさんはぜひご自分の写真などでお試しください。

 今回は記事化するので私にしては珍しくご本人に事前に許可をいただいております。

チャット欄に「/」を入力し、表示されたコマンドの中から「/describe」を選択。

表示された枠の中に写真をドラッグ&ドロップしてエンター。

 しばらく待つと、アップロードした画像をAIがプロンプトに分解したものが4パターン表示されます。今回はこんな感じ。

つばさの写真をAIがプロンプトに分解したもの。

 できあがったプロンプトの中身を見ていきましょう。ここでは、翻訳AIの「DeepL」を利用します。アプリ版をインストールしておくと、翻訳したい文を選んでCTRL+C+Cと押すと自動的に立ち上がって訳文を表示してくれ、その場でプロンプトを編集・修正することもできて便利です。

アプリ版「DeepL」。訳したい文を選択してCTLを押したままCを2回連続で押すと、選択文を取り込んだ状態で自動起動してくれる。

■1
mr. taijie asiasianmama, in the style of light white and red, exaggerated facial features, solapunk, optical, karencore, meticulous technique, schoolgirl lifestyle


ミスター・タイジ アジアンママ、白と赤の明るいスタイル、誇張された顔立ち、ソーラパンク、光学系、カレンコア、緻密な技術、女学生ライフスタイル

 1番目の回答は、なぜか女性にミスターが付いてますが、この方はタイジさんという名前のアジア系のママさんと判断されたようです。私が言ったんじゃありませんよ。AIがそう判断したということです。このなかで気になるワードは「ソーラーパンク」と「カレンコア」でしょうか。〇〇パンクというのは、パンクスタイルという世界観を表す際に用いられる表現で、一般的にはサイバーパンクという言葉の派生や亜流の世界観です。ソーラーパンクもまたその派生のひとつですね。「カレンコア」のほうは、アメリカのいわゆるネットミームのひとつで、ちょっと無礼な白人女性の指す言葉のようです。私が言ったんじゃないですよ。AIがそう判断したんです。

■2
hong kong chinese beauty ningbo liu ling, in the style of algeapunk, optical, sabattier filter, webcam photography, tachisme, karencore, 8k 3d


香港の中国美人、寧波の劉玲、アルジェーパンク風、光学、サバティエフィルター、ウェブカメラ撮影、タシスム様式、カレンコア、8k 3d

 2番目の回答。香港の中国美人ですって。寧波も中国の都市名で、劉伶は、三国時代の竹林の七賢の一人だそうです。ここでもパンクスタイルが挙げられていますね。アルジェーは藻類のことだそうです。類義語にモス(苔)パンクなどもあります。ここでもカレンコアが登場。最後にある「8K」は高解像度でという意味で、高解像度の3D画像と捉えられたようです。

■3
a woman in glasses and a red chair, in the style of oshare kei, dark white and amber, happycore, aurorapunk, strong facial expression, algeapunk, dark white and dark brown


眼鏡をかけた女性と赤い椅子、おしゃれ系、ダークホワイトとアンバー、ハッピーコア、オーロラパンク、強い表情、アルジェーパンク、ダークホワイトとダークブラウン

 3番目の回答は割と見たままでいい感じです。ここでは藻類パンクとオーロラパンクが融合していますね。

■4
persona 4 hong kong pti online dating free, in the style of strong facial expression, close-up intensity, aurorapunk, matte photo, meticulous design, light amber and amber


ペルソナ4、無料の香港のオンラインデート、強い表情のスタイル、クローズアップの強度、オーロラパンク、マットな写真、細心のデザイン、ライトアンバーとアンバー

 4番目の回答です。「ペルソナ4」はゲームのタイトルです。このゲームのキャラと判断されたようです。加えて香港の無料デートアプリか何かに登録してあるっぽい顔に見えるそうです、AIには。

メモ:
 上の結果を見ても分かる通り、「-describe」で得られる結果は、現状だと、解析した画像を正確に表しているとは言い難い状況ですので、納得できる結果が出るまで何回かトライしてもらうといいと思います。Midjorneyの開発FAQに寄れば、

Q. -describeはクールだが、テキストプロンプトのプロセスをさらに自動化するのか?

A. Davidは、近い将来(1年後)、ほとんどのプロンプトが画像から来るようになると予想しているので、テキストプロンプトはおそらく、いずれにしてもそれほど大きな要素にはならないでしょう。v7では、テキストプロンプトの著しい改善が行われる予定です。 歴史的に、文章を書くことは高齢者の追求である(40歳以上が平均的)ユーザーベースは現在高齢者に偏っている。市場テストでは、若い人たちは画像プロンプトを使うことを好むという結果が出ており、彼はそれが続くと予想している。

 とのことなので、たぶん近い将来には、画像プロンプト(こんな絵を出して!とお願いする)スタイルがもっと一般化するのではないかと見通しらしいです。

 というわけで、これら4つのプロンプト化のなかでは、3番目の認識が一番近い気がしますので、こちらを使って似顔絵にチャレンジしていきましょう。まずは、このプロンプトをそのまま使って、かつ、アニメチックにデフォルメするために「--niji 5」パラメーターを付けて、さらにちょっと洋風スタイルにするために「--style expressive」も加えて「/imagen」していきます。

この画像は1番目のプロンプトを試してみたときのものです、念のため

 できあがった画像がこちら。

こちらは3番目のプロンプトから得られた画像です

 けっこうビビッドなイラストが4枚できあがりました。この中から、割と狙ったイラストに近いイメージの画像を切り出します。画像ができあがったチャット欄の右上付近にあるアイコンのうち、いちばん左側の「リアクションを付ける」アイコン①をクリックし、封筒の絵文字②の「:envelope:」を選択してクリックします。アイコンが見つからない人は、虫眼鏡マークのあるサーチウインドウにそのまま「:envelope:」と入力してエンターを押してください。

 すると、先ほどできあがった4枚のイラストが自分宛てのDMとして届きます。届いたイラストは4つに分割されているので、今回はこのうちの4番のイラストを使用していきましょう。

 続いては、にじジャーニーのボット宛に「/blend」コマンドを入力します。これは、複数の画像をミックスしてくれるコマンドです。最大5枚までミックスできますが、今回は2枚だけでOKです。

 実のところこの機能は、画像プロンプト(アップロードした画像のURL)を複数個並べただけのものと行われる処理は一緒です。ですが、こちらのほうがインターフェース的に楽に行えます。

 表示された枠の片側に切り出した4番目のイラスト、もう片側に元となったつばさの写真を入れて、レッツブレンド!

 そしてできあがったのがこちらのイラストです。

 まあまあいい線いってるのではないかと思いますがどうでしょうか。ブレンドした画像のキャラ絵のお姉さんが、若干褐色の肌の美人さんだったのと服が赤かったので、ブレンドしたキャラも全体的に色が濃い目ですので、テキトーな画像編集ツールでちょっと色補正をしたのがこちらになります。

 これでも十分アニメっぽくはなってますが、さらにアニメっぽくすることもできます。

 こちらも色補正して、仕上がりがちょっと目が怖かったので瞳とハイライトを修正したものがこちらです。

 テイストはだいぶアニメ寄りになりましたが、本人感はだいぶ薄れてしまいました。やはり似顔絵にするには、ひとつ前の段階で止めておくのが妥当かなぁと個人的には思います。

似顔絵をつくるためのプロンプト作成手順

1 元になる写真を「/describe」する
2 表示されたプロンプトの中から、求めるイメージに近いものを探す
3 見つからなければ再度「/describe」する
4 提示されたプロンプトに「--niji 5」パラメーターと「--style expressive」パラメーターを加えて「/imagen」する
5 生成された画像の中から求める絵に一番近い画像をチョイス
6 求める画像が見つからなければ再度「/imagen」する
7 チョイスした画像と元の写真を「/blend」で合成する
8 生成された画像からベストなものをチョイスして完成!

 こんなんじゃ納得できん! わしゃもっと萌え萌えした絵が欲しいんじゃー!という貴兄には、別の方法もお伝えしましょう。ただし、ここから先は結構いばらの道ですので覚悟してください。

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