最新パーツ性能チェック 第411回
DLSS FG対応ゲームではRTX 30シリーズとどう変わる?
流行りのAI処理でもパフォーマンスを徹底検証!GeForce RTX 4070レビュー【後編】
2023年04月23日 11時30分更新
「GeForce RTX 4070」は、今年1月に登場したRTX 4070 Tiの下位モデルにあたるGPUである。SM(Streaming MultiProcessor)を大胆に60基→46基に減らす一方で、VRAM周りはGDDR6Xで12GB、192bit幅という仕様を継承している。RTX 4070搭載カードの初値は安いものでギリギリ9万円台、高いものでは12万円弱といったところである。
今回の検証も前編に引き続きRTX 4070 Founders Edition(FE)を利用して検証した。ゲームにおける基本的なパフォーマンスは前編でお伝えした通りだが、簡単に言えばRTX 3080にかなり近く、ゲームのフレームレートはほんのわずか(数%程度)下といったところだ。
メモリーバス幅192bit幅というハンデはAda Lovelace世代の特徴である巨大なL2キャッシュの力で打ち消しているものの、4Kのようなメモリー帯域が重要な局面ではまだRTX 3080のほうが強いケースもある。ただ、RTX 4070のターゲットは「フルHD〜WQHDゲーミング」であり、さらに対応ゲームではAda Lovelace世代最大の武器である「DLSS Frame Generation(FG)」を使うことでさらに快適にすることができる。
前編に引き続き、時間の都合で盛り込めなかったゲームの検証を中心に、クリエイティブ系アプリ等の検証を行なうことにしたい。
検証環境は?
検証環境や検証時期は前編とまったく同じである。RTX 4070の比較対象として、Turing世代からの70番台で比較するが、RTX 2070が手元に無かったため、RTX 2070 SUPERを準備した。
さらに、1つ上のRTX 4070 Tiと、性能的に競合すると踏んだRTX 3080を準備した。RTX 4070 Ti以外はすべてFEである。Resizable BARやSecure Boot、コア分離(VBS)やローカルセキュリティ機関の保護(LSA)、HDR(Windows HD Color)はすべて有効化して検証している。前回書き忘れたが、ドライバーはRTX 4070のみが検証用β版、その他はGameReady 531.37を利用している。
検証環境 | |
---|---|
CPU | インテル「Core i9-13900K」 (24コア/32スレッド、最大5.8GHz) |
CPUクーラー | ASUS「ROG RYUJIN II 360」 (簡易水冷、360mmラジエーター) |
マザーボード | ASUS「ROG MAXIMUS Z790 HERO」 (インテルZ790、BIOS 0904) |
メモリー | G.SKILL「Trident Z5 Neo RGB F5-6000J3636F16GX2-TZ5NR」 (16GB×2、DDR5-5600動作) |
ビデオカード | ZOTAC「ZOTAC GAMING GeForce RTX 4070 Ti Trinity OC」 (GeForce RTX 4070 Ti、12GB GDDR6X)、 NVIDIA「GeForce RTX 4070 Founders Edition」、 NVIDIA「GeForce RTX 3080 Founders Edition」、 NVIDIA「GeForce RTX 3070 Founders Edition」、 NVIDIA「GeForce RTX 2070 SUPER Founders Edition」 |
ストレージ | Corsair「Force Series MP600 CSSD-F1000GBMP600」 (1TB M.2 SSD、PCIe 4.0、システムドライブ用)、 Silicon Power「PCIe Gen3x4 P34A80 SP002TBP34A80M28」 (2TB M.2 SSD、PCIe 3.0、データドライブ用) |
電源ユニット | Super Flower「LEADEX PLATINUM SE 1000W-BK」 (1000W、80 PLUS PLATINUM) |
OS | Microsoft「Windows 11 Pro」(22H2) |
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