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医療やバイオ、DXなど多彩な先進技術を有する大学発スタートアップの創出を目指す

TOHOKU STARTUP NIGHT 2023

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 2023年3月16日、仙台市は「TOHOKU STARTUP NIGHT 2023」を開催した。東北、新潟の10の大学が連携した「みちのくアカデミア発スタートアップ共創プラットフォーム」は東北を「課題解決先進地域」にすることを目的に、大学発スタートアップの創出に取り組んでいる。

 今回のイベントでは東北と新潟で大学の研究成果を活用し事業化を目指すスタートアップ人材を支援する「みちのくGAPファンド」に採択された10チームにより、半年間にわたる取り組みの成果に関するピッチが行われた。

東北大学 植田拓郎 産学連携機構長 理事

 ピッチに先立ち、東北大学の植田拓郎 産学連携機構長 理事は「みちのくアカデミア発スタートアップ共創プラットフォーム」の取組みについて「東北地方は少子高齢化や人材流出、自然災害など世界がこれから向き合う課題に先駆けて直面していることから課題先進地域と呼ばれている。地域の産学官金が一体となり、スタートアップエコシステムを形成し発展させることで、地域課題の解決に役立つ大学発スタートアップの創出を加速させていく。 東北、新潟が世界に誇る課題解決先進地域となることを目指している」と語った。

「体感付き動画の自動生成と配信サービス」東北大学 昆陽雅司氏

ピッチをする東北大学 昆陽雅司 氏

 東北大学の昆陽雅氏は、スマートフォンで触覚を伝える技術を開発し、新しい体感が得られる動画配信サービスを提案した。現状の触覚技術はバイブレーター機能の向上により、以前よりリアルな体感が得られるようになっているものの、十分なサイズがある据え置き型のデバイスにしか実装が難しい課題がある。

 昆陽氏が開発するのはスマートフォンに搭載されている小さな振動子でも、リアルな触覚を起こせる技術だ。5年前に発売されたiPhone8以降の機種で利用できるため、世界で約10億人が保有するハードウェアで、新しい触覚を体験できるコンテンツが配信可能とになる。

 既存の動画のオーディオの信号から触覚を自動生成することも可能で、手軽に触覚コンテンツが作れる特徴もある。ビジネスモデルは触覚技術、コンテンツを作る自動生成と編集機能、配信するメディアの3つを掛け合わせたサービスを構想している。

 今後は自社アプリを保有する企業に配信用のSDKを配布するサービスから始め、徐々に自社のプラットホームのおけるビジネスを開拓する。昆陽氏は「最終的には、世界的な動画配信のプラットフォーマーにも採用されるような技術にしていきたい」と述べた。

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