エリアLOVEWalker総編集長・玉置泰紀の「チャレンジャー・インタビュー」番外編

新宿・歌舞伎町に生まれた首都東京の最新スポット「東急歌舞伎町タワー」に行ってきた

文●玉置泰紀(一般社団法人メタ観光推進機構理事)

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 東急株式会社および株式会社東急レクリエーションが新宿歌舞伎町で開発を進めている「東急歌舞伎町タワー」(2023年4月14日開業)のプレス内覧会が4月6日行われ、西新宿LOVEWalkerなどエリアLOVEWalkerを束ねる街の変化大好き編集者として参加してきた。

 東急歌舞伎町タワーは、ホテルおよび映画館・劇場・ライブホールなどのエンターテインメント施設などからなる、地上48階・地下5階・塔屋1階、高さ約225mの超高層複合施設。歴史を辿ると、かつては、この場所に、新宿TOKYU MILANOがあった。2014年に閉館後は暫定的にVR ZONE SHINJYUKUが開館したが、2019年に閉館して東急歌舞伎町タワーの工事が始まった。更に遡ると、戦後からさほど時のたっていない1956年に新宿東急会館が開館。1ヵ月後には、現在のシネシティ広場を挟んで新宿コマ劇場が開館している。こうして、新宿は先行する丸の内と並ぶ映画の街になったのだ。

 70年近い歴史を持つこの地で軸になってきたのは、ロードショー館の新宿ミラノ座だった。1・2階の吹き抜け構造でワイドスクリーンに対応したスタジアム方式。今回の大きなキー・コンテンツになっているエヴァンゲリオンにとっても常に旗艦上映館であり聖地ともいえる場所。そしてあたらしい東急歌舞伎町タワーにも、新宿ミラノ座を継承する、3階吹き抜けのTHEATER MILANO-Zaが入る(6〜8階)。

 記者会見で東急株式会社新宿プロジェクト企画開発室室長の木村知郎氏は「コロナ禍を経て、オフィスの在り方が変わり、必ずしもオフィスに通わなくなり、また、物販でもECが当たり前になる中、東急歌舞伎町タワーは半分がホテル、半分がエンタメ施設という構成になった」と語っており、かつて、新宿ミラノ座が歌舞伎町を新宿を変えたように、首都の新しい観光スポットを提供する期待が高まる。

4月14日に開業する東急歌舞伎町タワー

あたらしくオープンするTHEATER MILANO-Za

1956年に開業した新宿ミラノ座

1960年頃の新宿東急文化会館

東急株式会社新宿プロジェクト企画開発室室長の木村知郎氏

■東急歌舞伎町タワーのコンセプト

 「さあ、好きを極めよう。」がコンセプト。商業施設のトレンドは人気ショップのリーシングが決め手であった時代もあれば、コミュニティゾーンを作って交流が決め手だった時もあったが、確実に人が訪れる施設にする決め手として近年、エンタメが注目されてきている。コンテンツがその施設への人の流れを作る。世界ではアリーナを中心にしたまちづくりも多く試されている。ラスベガスやシンガポール、マカオなどのIRもそういう流れだ。統合型リゾート。このタワーの狙いはどこだろう。

■一足早く見てきた注目施設

BELLUSTAR TOKYO, A Pan Pacific Hotel

 18階、39~47階。5月19日開業予定。

 特別な空間を楽しむ都会のラグジュアリーホテル。「天空のプライベートヴィラ」は45階から47階のペントハウス5部屋。地上200mのダイナミズム。天空を表す「天」と日本の四季折々の美しさを象徴する「花鳥風月」が部屋の名前になっている。各部屋は、日本の伝統文化を織り交ぜたインテリアと、幅約7mの窓から眼下に東京を一望できる抜群の眺望が特徴。最上階は3層吹き抜けの圧倒的な眺めのレストランや、絶景の中で日本の大地の恵みと四季を体感できるスパが楽しめる。

沢村澄子氏のアート作品をモチーフにした部屋

45階のバーとレストランには、大巻伸嗣氏のアート作品が配されている。レストランにΦ250cm、バーにΦ150cmの球形の大型作品を展示。天井から吊られた金属の球体の中で白、青色のLEDがゆっくりと点滅し、かつて新宿に広がっていた水景からイメージした表面の水紋や花などのモチーフが影絵のように、壁や天井、床に映し出される

HOTEL GROOVE SHINJUKU, A PARKROYAL Hotel

 18〜38階。5月19日開業予定。

 エンターテインメント施設で体験した感動や喜びなどの余韻に浸れるホテル。新宿歌舞伎町のまちを遊び倒すための拠点に最適だ。選りすぐりのアートや音楽で彩られている。ホテル内や使い勝手を考えた、自分の部屋のような客室。レセプションフロアの下階、JAM17には、このまちの人と旅人とをつなぐ社交場として同ホテルが運営するレストラン、バー、ウェディングにも対応するオープンテラスやパーティールームも備えている。

JAM17。バーでは、蔵前の蒸留ベンチャー「エシカル・スピリッツ」が開発したスパイシー・ジン「Ne10」が楽しめる。ネオンの元素記号Neと元素番号10、そして10種のボタニカルから命名。キーボタニカルは江戸時代に内藤新宿で育てられていた名物「内藤とうがらし」

 同ホテルでは、客室1フロアをジャックした「LIFESTYLE HOTEL EVA」を期間限定オープン。5名のパイロットをイメージした客室に宿泊できる「コラボレーションルーム宿泊プラン」を販売している。 プラン限定のオリジナルグッズやコラボレーションメニュー、スペシャルムービーで『エヴァンゲリオン』の世界観に浸ることができる。 さらに、本施設6階の劇場「THEATER MILANO-Za」での公演「舞台・エヴァンゲリオン ビヨンド」をチェックイン日に鑑賞できるS席観劇チケットを同時予約できるオプションも用意されている。

LIFESTYLE HOTEL EVA コラボレーションルーム宿泊プラン(1室利用/サービス料・消費税込)

宿泊期間:2023年4月28日~2023年7月20日

 コラボレーションルーム種類は、5名のパイロットをイメージした客室を広さ別に3タイプ。(各タイプ室数限定)①アドバンス(46~61㎡):1泊 5万5400円~、②アディショナル(32~37㎡):1泊 4万3200円~、③エントリー(22~27㎡):1泊 3万8200円~

 『舞台・エヴァンゲリオンビョンド』をチェックイン日に鑑賞できるS席観劇チケット付き特別オプション(限定ボトル付き)は、ホテル公式ウェブサイトより予約の際に選択できる(数量限定、チケット代は別途有料)。

 コラボレーションルーム宿泊プラン限定特典には、人気イラストレーター白根ゆたんぽ氏のオリジナルグッズ・コラボレーションウェルカムスイーツ・コラボレーションドリンク(カクテルまたはモクテルをJAM17BARにて提供)・コラボレーションブレックファストBOX・客室テレビで鑑賞できるスペシャルムービーがある。

 18階から17階に降りて行く階段では、バーカウンターの上に展示されている西野達のアート作品「新宿」を楽しめる。新宿で実際に使われていた家具や日常品から作られている。区役所のスチール棚や紀伊国屋書店で長く使用されていたテーブルなどが、新宿TOKYU MILANOの脇にあった街頭によって繋ぎ止められている。野外作品の多い西野達にとっては希少な屋内恒久設置作品となる。

109シネマズプレミアム新宿

 9〜10階。

 全席プレミアムシートで、全シアターにハイスペックな映写・音響設備を備えている。上質な鑑賞環境とおもてなしを提供し、これまでの常識を覆す“感性を開く映画館”として、非日常世界への没入体験を届ける。独創の3面ワイドビューシアター・シアター6には、正面スクリーンに加え、左右の壁面にも映像が投影される3面ワイドビューシアター「ScreenX」を採用し、新作映画だけでなく、人気アーティストのライブ映像など多岐に渡る映像体験ができる。

 音響監修は、故坂本龍一氏が務めており、109シネマズ従来の良質な音体験が可能なプレミアムサウンドシアター『SAION』の良さをそのままに、坂本氏監修の下で設計した『SAION –SR EDITION-』として、より極限までリアルな音を追求し8シアター全てに搭載、館内で使用する楽曲も坂本氏が制作した。開館に合わせ、坂本氏を偲び、音楽制作を担当した映画やライブ映像をオールナイトで上映するイベント『Ryuichi Sakamoto Premium Collection All Night』を、第一夜2023年4月21日、第二夜2023年4月22日の2日間で開催する。

THEATER MILANO-Za

 6〜8階。

 THEATER MILANO-Zaは、ストレートプレイ、ミュージカル、2.5次元系といった幅広い演劇はもちろん、着席スタイルの音楽ライブや映像イベント等、様々なエンターテインメントコンテンツを発信していく。たくさんの映画ファンが集い、感動を共有する場であった「ミラノ座」の名前を受け継ぎ、ライブエンターテイメントシアターとして生まれ変わった。

 こけら落とし公演は、COCOON PRODUCTION 2023『舞台・エヴァンゲリオン ビヨンド』(2023年5月6日~5月28日) 。原案・構成・演出・振付:シディ・ラルビ・シェルカウイ、主演:窪田正孝による『エヴァンゲリオン』の新たなエンタテインメント。

客席数:907席(基本構成)
1階席:612席、2階席:148席(バルコニー50席)、3階席:147席(バルコニー18席)(車椅子エリア含む)
※最大1088席まで増設可

 THEATER MILANO-Zaに彩を加えるのは、アーティスト・ユニットSIDE COREがキュレーションする3つの壁や床タイルに削りだされた地図やドローイングのコラージュ。演劇や芸能が、街なかのストリートや広場から生まれてきた歴史的背景を踏まえた取り組み。壁面の作品には、鹿児島にあるしょうぶ学園の工房で創作する作家23名と、SIDE COREのコミュニティの作家が参画している。

新宿ダンジョン攻略体験施設「THE TOKYO MATRIX」

 4階。

 ソニー・ミュージックソリューションズとソニー・ミュージックエンタテインメントによる「THE TOKYO MATRIX」は、ミッション攻略型のアトラクション。ユーザーは仲間と協力してモンスターを倒し、アイテムを探し、トラップをかいくぐり、ダンジョンクリアを目指す。2人または3人のパーティで挑むこのダンジョンは、挑戦者が深部に進むことを阻む、超・ハードモード。「戦う」「投げる」「引く」「探す」など、さまざまなスキルを駆使してチャレンジ出来る。【ソードアート・オンライン -アノマリー・クエスト-】は、アニメ作品『ソードアート・オンライン』の世界を舞台に、主人公・キリトとアスナを“討伐する”ためにクエストに参加し、ダンジョンの深部にいる二人との対決を目指す、体験型コンテンツになる。

ウェルネスクラブEXSTION(エクジション)

 5階。

 EXSTION(エクジション)新しい大人の嗜みを体感できる「美と健康」をテーマにしたラグジュアリーなウェルネスエンターテインメント施設。会員制ウェルネスクラブと、ホスピタリティの高いレストランを併設している。

新宿カブキhall~歌舞伎町横丁

 2階。

 新しい横丁ブームの元祖「恵比寿横丁」、 「渋谷横丁」などを手掛けた株式会社浜倉的商店製作所が運営する歌舞伎町の次世代エンターテインメントフードホール。 約1000㎡のフロアに「祭り」をテーマに食と音楽と映像が融合した全10店舗の食祭街。 北は北海道から南は九州、沖縄、お隣の韓国まで生産者直結の厳選産直食材をはじめ、地域料理、B級グルメ、丼、麺、焼鳥、餃子、お酒などの 「ソウルフード」が集結。フードホール内に設置されたステージやDJブース、ミラーボール、LED、カラオケ、マジシャンなど、毎晩様々なパフォーマンスや イベントを展開し、日本全国の文化発信の場、飲食店街の枠を超えた体験型空間、歌舞伎町の新たな交流拠点となることを目指す。

■東急歌舞伎町タワー・施設概要

施設名称:東急歌舞伎町タワー
住所:東京都新宿区歌舞伎町1-29-1
外装デザイン:永山祐子建築設計(写真1枚目)
建築デザインコンセプト:歌舞伎町エリアにかつて川が流れていたことや、現在でも歌舞伎町弁財天(写真2枚目)が水を司る女神として祀られていることから、本エリアの根源的な要素である「水」を外観モチーフ「噴水」として継承している。歌舞伎町の根底に流れる水のエネルギーが噴水のように天に伸びる姿や、水の持つ純粋さ、常に変化する柔軟さ、透明な水・白い水飛沫が多層に重なり合う優雅な姿を表現したデザインとなっている。日本で「水」を意味する文様「青海波」(写真3枚目)を導入し、 窓のセラミックプリントや低層外壁アルミキャスト、アーチ窓(写真4枚目)などで表現している。

■公式サイト
https://www.tokyu-kabukicho-tower.jp/

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