「ライザのアトリエ3」では負荷が軽すぎて差が出ない?
「ライザのアトリエ3」では画質“Low”に設定。クーケン港から貯水池へ至るコースを移動した際のフレームレートを計測した。
ここでも3D V-Cache搭載RyzenがCore i9-13900KやCore i7-13700Kと大差がないが、Ryzen 7 7800X3DがRyzen 9 7950X3D以下である時点でWindowsゲームモード未対応だからという仮説は否定される(実際Ryzen 9 7950X3DでもきちんとCCD0側に処理が偏っている)。フレームレートが伸び悩んでいるのは単純にエンジンとの相性ということができる。
あの大食漢のCore i9-13900KでもCPU Package Powerは100W未満。つまりCPU負荷がかなり低いことを示している。
Ryzenに対する対策が盛り込まれた「WILD HEARTS」では……?
最後に検証するのは「WILD HEARTS」だ。画質は“最軽量”に設定。プレイヤーが最初に確保する拠点から一定のコースを移動した際のフレームレートを計測した。3月27日付けでCPUのパフォーマンス改善、特にAMD製CPUに対する改善が盛り込まれたというアップデートが配信されたので検証に加えた。
見て分かる通り最低フレームレートが大暴れ。スタッターが酷いが、特にRyzen 9 7950X3Dは動かしていてもイライラするほどのものだった。ここでRyzen 7 7800X3Dが平均フレームレートでトップを獲っているが、これはBIOHAZARD RE:4のようにWindowsゲームモードが対応していない訳ではなく、The Last of Us Part 1のようにスレッドがバラけすぎてデュアルCCD構成のRyzenではかえって不利になっているから、のようだ(一応負荷の一番高いのは3D V-Cache側のCCD0である)。メーカーにはより一層の研鑽を期待したい。
今回の検証ではRyzen 9 7900X3Dの消費電力が高いが、Ryzen勢の中では唯一最低フレームレートが高いこととリンクしている。たまたまそういう負荷だったのか、という仮説もあるが、複数回のランで1W程度しかブレていない。Ryzen 9 7900X3Dの持つコアの規模に上手くハマったせいではないだろうか?
余計なことを考えなくてよいのは◎
以上でRyzen 7 7800X3Dの検証は終了だ。一部のゲームはまだWindowsゲームモード未対応という状態で検証することになったが、デュアルCCD構成のRyzen 9 7950X3D/Ryzen 9 7900X3Dはフレームレートを出せずにいる中で、Ryzen 7 7800X3Dだけが安定していたのは“余計なことを考えずに済む”という点では非常に優秀であると言える。パフォーマンス的にはRyzen 9 7950X3Dより若干下だが、ゲームから見た3D V-Cache搭載コア数の違いから、上位のRyzen 9 7900X3Dを倒すシーンが拝めたのは非常に面白かった。
コア数が少ないので動画エンコードはやや遅め、かつメガタスクな状況には弱いという弱点はあるものの、Ryzen 7 7800X3DはPCゲームに特化したPCが欲しい人にとっては理想的なCPUに仕上がった。プラットフォームの寿命が長いSocket AM5であるため長く使える。
最近A620という低価格マザーボード向けチップセットが出ているが、今異常な価格で売り出されているB650マザーボードと組み合わせるのがベストだと筆者は考えている。これからゲーミングPCを組もうと考えているなら、まず最初に検討したいCPUと言えるだろう。
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