500fps上限にしたら差がついた「Atomic Heart」
「Atomic Heart」では画質“低”とし、ゲーム開始直後、ボートを降りた後のシーンでフレームレートを計測した。前回はアップデートに伴うフレームレート上限が正しく反映されていない状態での計測だったが、今回は新たな上限である500fps上限で計測している。
Ryzen 9 7950X3Dレビュー時はRyzen 9 7950X3DとCore i9-13900Kの差が10fps程度しかなかったが、今回500fps上限にし、さらにGPUドライバーも最適化後となったせいかしっかりとした差がついた。3D V-Cache搭載を搭載したRyzenでは最低フレームレートも高く、3D V-Cacheを持たないCPUに対ししっかりとした付加価値をつけていることが分かる。
Ryzen 7 7800X3Dの消費電力はCore i9-13900Kの6割程度の電力でありながら、平均フレームレートにおいて約13%Core i9-13900Kを上回る。ここまで来ればRyzen 7 7800X3Dのゲームにおける強さは疑う余地はないだろう。
3D V-Cacheの有無による差が激しい「ホグワーツ・レガシー」
「ホグワーツ・レガシー」では画質“低”、レイトレーシングはオフ、アンチエイリアスは“TA高”に設定。排他的フルスクリーン設定のないゲームであるため、デスクトップの解像度をフルHDに設定して検証した。南門の橋~ホグワーツ城内に至る一定のコースを移動した際のフレームレートを計測した
上位3CPUの差は小さいが、ライバルCPUよりもしっかりとフレームレートで差をつけていることが分かる。同じ8コアCPUであるRyzen 7 7800X3DとRyzen 7 7700Xを比較すると、平均フレームレートにおいてRyzen 7 7800X3Dの方が40%をやや下回る程度に上回っている。TDP引き上げと3D V-Cacheの効果は絶大なのだ。
消費電力に関してはこれまでの傾向と同じ。Ryzen 7 7800X3Dのワットパフォーマンスの高さは、第13世代Coreを常に圧倒し続けている。
「アンチャーテッド トレジャーハンターコレクション」ではCore i9-13900Kも強い
「アンチャーテッド トレジャーハンターコレクション」では画質“低”とし、解像度はデスクトップの解像度を直接変更して設定した。シナリオ“海賊王と最後の秘宝”のチャプター10開始直後から一定のコースを移動した際のフレームレートを計測した。
Ryzen 9 7950Xレビューでも3D V-Cacheがあまり効かないゲームという判断だったが、今回も同様の結果になった。Ryzen 9 7950X3Dと3D V-Cacheを搭載したコア数が等しいRyzen 7 7800X3Dのパフォーマンスがほぼ同じだが、3D V-Cache搭載コアの少ないRyzen 9 7900X3Dが一歩退いた所にいる点に注目したい。
3D V-Cacheがフレームレートを延ばさなくても、3D V-Cache搭載Ryzenの消費電力は低い。つまりゲームにおけるワットパフォーマンスはRyzen 7000X3Dシリーズが今のところ最強と言えるだろう。
Ryzen 9 7900X3Dには逆境となった「Dead Space (2023)」
2023年のリメイク版「Dead Space」では画質は“低”、アンチエイリアス“TAA高”に設定。ドックエリアから続く無重力+真空ゾーンを飛行した際のフレームレートを計測した。
Dead SpaceはCPU負荷の高いゲームであるが、フレームレートを延ばすにはある程度のコア数がカギになるようだ。Ryzen 7 7800X3DとRyzen 9 7950X3Dが2強で、その後にCore i9-13900KとCore i7-13700Kと続く。Ryzen 9 7900X3Dは3D V-Cache搭載コアの少なさが禍したのか、下から2番目という残念な結果となった。
CPU負荷の高さはCPU Package Powerの高さに表れている。特にRyzen 7 7700Xはこれまでの検証ではせいぜい80W台だったが、このゲームにおいては100Wを軽く超えている。この点を考えると、フレームレートで残念な結果となったRyzen 9 7900X3Dはそれほど悪くないという評価だし、Ryzen 7 7800X3Dはもっと優れたソリューションということになる。
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