みなさんはラーメン店で卓上調味料を使いますか?
ラーメン店の卓上調味料の代表と言えば「胡椒」「酢」「ラー油」が思い浮かぶ人も多いと思います。
昔からの習慣で、ラーメンが配膳されるなり胡椒を振りかけて食べる方もいると思います。
昔は、現在のラーメンほどスープに手間ひまをかけて作られていなかった為、鶏ガラや豚骨などに臭みがあり、また動物系のにおい自体にも馴染みがなかったので、においを消す手段として胡椒が有効とされ用いられるようになり、当然の様に卓上に置かれるようになったと言われています。
また、昔は餃子がメニューに並ぶお店も多く、ラー油や酢などもセットで置かれ、それらの名残で現在も「胡椒」「酢」「ラー油」を置くラーメン店も少なくありません。
ただ、スープ作りに力を入れ緻密な計算の元に作られている現代のラーメンには胡椒は強すぎる調味料で、スープの味や風味を壊してしまう恐れもあることから、胡椒を置かないお店も増えてきています。
それだけでなく、各々のラーメンに合わせた調味料を置くお店も増えてきました。
今に始まった事ではありませんが、博多系の豚骨ラーメンには「紅生姜」「白ゴマ」「辛子高菜」、油そばには「ラー油」「酢」に「マヨネーズ」などを置くお店もあります。ラーメンショップ系では「にんにく」「らあじゃん」がお馴染みとなっていて、家系ラーメンには「にんにく」「豆板醤」などが定番としてよく目にします。
私自身は初めて行くお店では殆ど使うことはなく、普段もあまり使う方では無いのですが、色々なお店で常連さんの卓上調味料の使い方を見てみると「自分なりのカスタマイズをして楽しんでいるな」と感心することも少なくありません。時々真似をしてみて、その美味しさに驚く事もあります。
立川ラーメンスクエアの「新和歌山らーめん 極ジョー」では「風味替え」と称し、「おろしにんにく」「辛し高菜」「紅しょうが」「ゆずこしょう」「魚粉」「辛もやし」など多種の調味料を用意していて、味変を存分に楽しんでもらえるような工夫をしています。
「カッパ64」や「ニューカッパ」では、看板メニューのトマトらーめんに合わせた「タバスコ」。
「壱発ラーメン」では、「特製壱発の押忍(オッ酢)」というオリジナルの酢。
「北海道濃厚味噌らーめん ななと」では、味噌らーめんに合う「バルサミコ酢」や味変用の「カレー粉」。
「梅浜亭」では、壺に入った「ニラキムチ」。
などなど、手間ひまかけて作り上げたラーメンの味を壊さずに美味しく味変や風味替えが出来るよう、様々な卓上調味料を用意しています。
そんな卓上調味料ですが、それを加える事で完成するようなラーメンや、私個人として是非入れて食べて欲しいオススメのラーメンもあります。
【らーめん にんにくや】
現在、武蔵野・多摩地区では東小金井・京王堀之内・小平に店舗を構えるお店。
とんこつスープに細かな背脂がたっぷり浮かぶ一杯で、見た目とは裏腹にあっさりスッキリした味わいが特徴の「らーめん にんにくや」。
ここのラーメンに最高のマッチングを見せるのが、卓上の「生にんにく」!
にんにくクラッシャーで生にんにくを潰し入れることによって、旨味がグッと上がってガツンとパンチが出て、まさに「にんにくを加えて完成する」と言える一杯!
【煮干しらーめん 青樹】
立川を代表する人気店の一つである「煮干しらーめん 青樹」の油そばは、魚粉由来な感じの直に感じる煮干しの味と風味がガツンくるパンチのあるタレに、モチモチの太麺が合わさった一杯。
そこに、山椒の風味が効いて痺れ感のある「特製ラー油」をかけると最高のマッチングを見せてくれて、風味の豊かさが加わり味も引き締まります。
【ホープ軒本舗】
東京とんこつラーメンのルーツとも言われる吉祥寺の「ホープ軒本舗」には、「唐華(とうか)」と呼ばれる唐辛子と牡蠣油を合わせた特製スパイスがあります。
他の背脂チャッチャ系のお店でもこの「唐華」にインスパイアされた感じの特製スパイスが置かれているお店が多くあり、豚骨醤油スープに唐辛子の芳ばしい風味と辛味や旨味が加わって、更に引きの強い味へと変化します。辛いのが苦手でない方には是非試して貰いたいです!
【麺屋武蔵 虎洞】
ニューウェーブ系と呼ばれる現在のラーメンのパイオニアとも言える「麺屋武蔵」の5号店として2005年に吉祥寺にオープンして以来、安定した人気を誇るお店。
麺屋武蔵と書かれた赤い小壺の中には、揚げ玉・フライドガーリック・七味などをブレンドした感じの調味料が入っていて、これを「虎洞まぜそば」と合わせると抜群の相性を見せてくれて、更に食欲がそそられます!
【香 -SHAN-】
あきる野や昭島にあるタンメン専門店の「香(しゃん)」は、たっぷりの白菜にモソッとした麺を合わせた、シンプルなのに特徴的な味わいでハマると抜け出せなくなる一杯を提供。
そのままでも勿論美味しいですが、卓上の「酢」と「自家製ラー油」を加える事によって酸辣湯麺風な味わいに変化して、それまでと全く違った味わいを楽しめます!
食べ方は人それぞれなので決まりはありませんが、一口も食べずに卓上の調味料を加えてしまうのはスープ本来の味がわからなくなるのでオススメはしません。
ただ、本来のスープを味わった上でお店が用意した卓上調味料をプラスして自分好みにカスタマイズするのは、一つの楽しみとして「あり」だと思います。
私の経験上ですが、早い段階で調味料を加えてしまうとデフォルトのスープの方が好みだった時に元に戻せず後悔することもあったので、ラーメンを半分以上食べてからレンゲにスープをすくい、少量の調味料を加えてどんな味かを試してから、どれ位かを考えて加えるのをオススメします。
調味料を入れることを強くオススメする訳ではありませんが、お店の卓上に置かれた調味料の意味を理解し、上手に使って、美味しいラーメンを楽しんでいただきたいと思います!
ZATSU
2006年に開設したブログ「ZATSUのラーメン」の管理人。武蔵野・多摩地区を中心にしたラーメン食べ歩きを始めて15年以上。現在は年間400〜500杯程度を食べ、新店コレクターでありながらも老舗店やリピートするお店も多数あり。チェーン店からファミレス、カップ麺までも愛する真性の「ラーメン好き」で、基本的に何でも美味しく食べられる幸せ者。「自分の好みのラーメンを見つけて欲しい」と言う思いをモットーに色々なラーメンを紹介していきます。
本人ブログ(https://zatsu-ke.blog.jp/)
本人Twitter @zatsu_ke