G-Master Velox II Intel Editionをレビュー
厳選PCパーツの鉄板ゲーミングPC、13900&RTX 4070 Ti構成なら4K高画質でも怖くない
2023年04月05日 10時00分更新
PL1設定を変更すると性能はどこまで変わる?
前述の通り、Core i9-13900の標準PL1設定は65W。そのため、長時間の高負荷処理ではどうしてもPL1が125Wの上位モデルよりもワンランク下の性能となる。そこで、PL1設定を引き上げ、その性能がどう変化するのか検証した。
設定はUEFIで変更。標準では「Auto」で65Wの設定となっていたが、これを手動で「125W」に引き上げた。なお、125Wは設定の上限となっている。
では、早速CINEBENCH R23の結果から見てみよう。
結果は期待通り、Multi Coreテストのスコアーは30566ptsと、PL1=65Wの時と比べて約1.32倍にまで上昇した。ここまで性能が高くなるなら、125W設定で常用したくなる。
心配していたCPUのパッケージ温度だが、モニタリングツール「HWMonitor」によると最大でも89度。空冷クーラーとはいえ、十分冷やしきれていることがわかった。
CPUクーラーファンの最大回転数は、1658rpmから1732rpmにアップしていた。ただし、耳を近づけても「若干ファンの音が増えたかもしれないな」程度の差でしかなく、どちらも十分静か。静音性の面でも大きな問題にならないレベルだった。
CINEBENCH R23でここまで変わるのであれば、それ以外のベンチマーク結果も変わるのではないかと考え、ひと通り試してみたのだが、実はあまり変わらなかった。
例えば、PCMark 10では総合スコアーが9362から9387に微増したが、これは誤差の範囲。サブスコアーを見比べてみると、「Rendering and Visualization Score」のテストが17132から17800にアップしており、やはりレンダリング用途ではCPUの最大性能が向上しているぶん有利になったようだ。
FF14ベンチマークではスコアーが30、FF15ベンチマークでは14ほどアップしていたが、やはりこちらも誤差レベル。CPUをフルにぶん回すCGレンダリング、動画編集といった用途でなければ、PL1を125Wに引き上げた恩恵はほとんどなさそうだ。
ちなみに、3DMarkの「CPU Profile」テストでは性能がどう変化するのか見てみたところ、こちらは興味深い結果になったので紹介したい。このテストは最大/16/8/4/2/1スレッドのテストを繰り返し行うもので、CGレンダリングほどではないものの、多数のスレッドを使っている時は高負荷となる。
4スレッドまでは電力が65Wを超えないため、どちらも結果は同程度。しかし、8/16スレッドでは65Wを超えるため、一定時間後に動作クロックが低下。この落ち込みが大きいPL1=65W設定では、スコアーが大きく見劣りする結果になったようだ。
なお、Maxスレッドで差がない点は不思議だが、テスト時間が短いことや、Eコアがメインで使われてしまっていることが影響していそうだ。そのぶん、高性能なPコアの影響が小さくなり、スコアーとしてはほぼ同じに落ち着いたと考えられる。
いずれにせよ、PL1を125Wに引き上げてもCPUの冷却には十分余裕があり、高負荷時の性能も上げられることは間違いない。ゲームや一般用途ではあまり意味がない設定だが、CGレンダリングや動画編集など、CPUパワーが必要とされる用途でPCを使う予定があるなら、引き上げておくと良さそうだ。
まとめ:ゲーミングPCの新定番として超オススメ!
標準構成でも十分な性能があるため初心者に優しく、カスタマイズする場合でもPCパーツが厳選されているので選びやすい。そこがサイコムのG-Master Velox II Intel Editionの魅力だ。
高性能なCore i9-13900でも標準の空冷CPUクーラーで十分冷やせる点も、安心してカスタマイズできる根拠の1つ。また、高負荷時でも騒音が抑えられ、夜中の利用でも家族に気を使わなくていいところも好印象だ。
「高性能なゲーミングPCが欲しいけれど、何を買っていいのかわからない」、「PCパーツの良し悪しがよくわからないけれど、性能や品質にこだわった1台が欲しい」という人であれば、これを選んでおけば間違いない。この春から新しい暮らしが始まり、PCを新調しようと考えているなら、真っ先に候補に挙げたいモデルだ。
(提供:サイコム)