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サントリー水中プリンター、旭化成のカーボンニュートラル展示 CESでみたイノベーション

CESはどこに向かうのか? FutuRocket美谷広海氏の「CES 2023」レポート後編――新たなテクノロジーやイノベーションに出会える場「CES」はより業界横断かつ長期的視点のイベントへ

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コンチネンタルの先進安全自動車が認識しやすくなる安全ジャケット

欧州で販売されている機械の目でも認識しやすい安全ジャケット

 コンチネンタルによるメディア向けのキーノートの中で紹介されていたのが、自動ブレーキなど先進安全自動車が増えていく時代に向けた安全製品。歩行者や、自動車に乗っている人がLIDARや自動車に搭載されたカメラに認識されやすくなるジャケットだ。従来の安全ジャケットよりも2倍認識されやすくなっており、自転車に乗った人や歩行者のシルエットがよりセンサーに検知されるようにデザインされている。販売価格は235ユーロとなっている。

ローランド:空中に浮かぶスピーカーが音を奏でる未来のホームピアノ

手前のホームピアノの右上にドローンで空中にスピーカーが配置されている

 ローランドが展示していたのは空中にドローンで浮かばせたスピーカーによる立体的な音場を実現するという未来のホームピアノ。空中に設置した360度スピーカーでデジタルピアノでの自然な音場を再現することに挑戦している。

立体音場を実現するためのドローンによる空中スピーカーはまだコンセプト段階のもの

 担当者に、「アイデアとして面白いけれど、ドローンの飛行音がうるさくて音楽を楽しむことができないのでは?」という疑問をぶつけてみると、こちらはまだコンセプト段階の展示で、実際の演奏デモは行っていないとのこと。

 ただ静音ドローンの開発が各社で進められているので、将来的にはそうした静音ドローンが活用できる可能性があると考えていること、そして社内ではバルーンでスピーカーを浮かせて実証を行っているという話を伺うことができた。

 またドローンの飛行音以外にもBluetoothでは通常200ミリセカンドの遅延が発生してしまうため、ローランドが開発した専用の通信プラットフォームを採用しているという。

2022年のCESで展示されていた未来のグランドピアノというコンセプトのプロトタイプ

 また、このホームピアノは、1972年に創業したローランドが50周年を記念して、未来のホームピアノとして制作されている。昨年のCESでは未来的な、本来なら弦のある部分が空洞となっているグランドピアノが展示されていたが、昨年のものは未来のグランドピアノというコンセプトで社内でデザインされたものであるとのこと。

 今年はあえて社外による発想で形を具現化したいということで、「未来のホームピアノ」というコンセプトを家具メーカーであるカリモクに伝えて依頼し、デザインされたものとなっている。

名機リズムマシーンTR-808をイメージしたローランドのブースデザイン。特徴的なカラーリングのストライプでデザインされている (画像20 家庭用に復刻されているアーケード筐体を活用した展示

 ローランドのブースは、その他にも流行りの家庭用アーケード筐体(この言葉自体が少し矛盾しているが、往年の縦型アーケード筐体をデザインそのままにすこし小振りにして家庭用に復刻販売しているもの)を展示用什器として活用したり、かつての名シンセサイザーTR-808のデザインを取り入れたブース装飾など見どころが多いものとなっていた。

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