ExaPodが今年第1四半期に稼働予定
ここからは昨年9月末に開催されたTesla AI Dayのスライドからご紹介したい。ちなみに全体では3時間半にもおよんでおり、1時間57分からDojo Introduction、2時間23分あたりからDojo Hardwareの説明が行なわれている。
まずトレーニングタイルだが、システムにはこれが6つ相互接続する形で1つのトレイに収まる。これがシステムトレイである。
一方DIPは、そのトレイの下に並ぶ。その20枚のDIPカードがちょうどささるように、ホストCPUのシャーシが用意される。こちらは構成は明らかになっていないが、PCIeスロットの数とかコアの数を考えると、Milanベースの1ソケットEPYCサーバーが4台入っているように思える。
技術的に言えば、同じくMilanベースの2ソケットEPYCサーバー(これだと最大でPCIe Gen4レーンを162本出せる)を2台という可能性もあるが、そこで2ソケットにする意味があまり見当たらない。
トータルメモリーは8TBというあたり、EPYCサーバーあたり2TBという計算だ。このDojo Host Interfaceを2つ積み重ねたのがDojo Cabinetであり、そのDojo Cabinetを複数並べたのがExaPODである。
Dojoの、AI Dayにおける説明では以下の数字が示されている。
- 24 GPU(A100) vs 25 D1では、バッチ処理のレイテンシーが150μs vs 5μsで30倍高速
- 自動ラベリングやOccupancy network(境界面を使ったネットワーク分類)などの処理でA100と比較して最大3.2~4.4倍高速
- 1つのコンピュートタイルでGPU BOXが6つ分以上の性能。そしてコンピュートタイルの価格は1つのGPU BOX未満
- 4つのDojoキャビネットで、既存の72ラックのGPUサーバーを代替できる。といった数字が示されている。
最初のExaPodは今年第1四半期(つまり今月だ)中に稼働予定であり、Teslaは将来的にパロアルト(Tesla本社所在地)に7つのExaPodを稼働予定としている。
なんというか、数は力とでもいうべきソリューションである。とはいえ自動運転のアルゴリズムを改良していくのには、このくらいのパワーが必要なのかもしれない。
この連載の記事
-
第798回
PC
日本が開発したAIプロセッサーMN-Core 2 Hot Chips 2024で注目を浴びたオモシロCPU -
第797回
PC
わずか2年で完成させた韓国FuriosaAIのAIアクセラレーターRNGD Hot Chips 2024で注目を浴びたオモシロCPU -
第796回
PC
Metaが自社開発したAI推論用アクセラレーターMTIA v2 Hot Chips 2024で注目を浴びたオモシロCPU -
第795回
デジタル
AI性能を引き上げるInstinct MI325XとPensando Salina 400/Pollara 400がサーバーにインパクトをもたらす AMD CPUロードマップ -
第794回
デジタル
第5世代EPYCはMRDIMMをサポートしている? AMD CPUロードマップ -
第793回
PC
5nmの限界に早くもたどり着いてしまったWSE-3 Hot Chips 2024で注目を浴びたオモシロCPU -
第792回
PC
大型言語モデルに全振りしたSambaNovaのAIプロセッサーSC40L Hot Chips 2024で注目を浴びたオモシロCPU -
第791回
PC
妙に性能のバランスが悪いマイクロソフトのAI特化型チップMaia 100 Hot Chips 2024で注目を浴びたオモシロCPU -
第790回
PC
AI推論用アクセラレーターを搭載するIBMのTelum II Hot Chips 2024で注目を浴びたオモシロCPU -
第789回
PC
切り捨てられた部門が再始動して作り上げたAmpereOne Hot Chips 2024で注目を浴びたオモシロCPU -
第788回
PC
Meteor Lakeを凌駕する性能のQualcomm「Oryon」 Hot Chips 2024で注目を浴びたオモシロCPU - この連載の一覧へ