佐々木喜洋のポータブルオーディオトレンド 第173回
便利なアイテムも登場
CanJam 2023 NYレポート、CampfireがAndromedaやSolarisの新モデルを投入ほか
2023年02月27日 14時30分更新
既報のように「冬のヘッドフォン祭mini 2023」では、様々な新製品が発表された。そして海外でも、2月25日と26日の週末に開催された海外フォーラムHead-Fiのオフ会でもあり、製品展示会でもあるCanJamがニューヨークで開催された。この開催に先立ち公開されたショウのプレビュー動画の中から、日本では未発表(記事執筆時点)と思われる製品をいくつかピックアップして紹介する。
Campfire Audio
「Andromeda Emerald Sea」は、Andromeda伝統のBAドライバー5基(2ハイ、1ミッド、2ロー)の構成が採用されている点は同じ。ただし、内部の音響設計は刷新されている。BAドライバーには、Astell & Kernとのコラボモデル「Pathfinder」と同じデュアル・ダイアフラムBAドライバーが採用されている。解説しているJude氏のコメントによると、サウンドは甘くアナログ的ということだ。Andromedaは、高感度イヤホンの代名詞と捉えられることも多いが、高感度すぎた面もあり、少し緩和されたようだ。
「Solaris Stellar Horizon」はSolarisの改良版で、BAドライバー3基(2ハイ、1ミッド)と10mm ADLCダイナミックドライバーのハイブリッド構成は踏襲している。ただし、ダイナミックドライバーの音響設計は刷新され、かなり大きなベント孔が確認できる。
また、両機種ともそれぞれ3.5mm/2.5mm/4.4mm端子を持つケーブルが3本付属し、ディスプレースタンドにもなるユニークなケースが付属している。やや高級路線になったように思える。Andromeda Emerald Seaの紹介サイトで公開されている海外価格は1450ドル(19万7000円強)で、「Andromeda Classic」の999ドル(13万6000円強)と比べて高価格になっている。
Burson Audio
かつては国内でも取り扱いがあったBurson Audioは、マニア気質で質実剛健のヘッドホンアンプで知られているブランド。その「3XGT」は、ユニークなゲーミング向けヘッドホンアンプだ。マイク入力が搭載されており、ヘッドセットを接続可能。サブウーファー用の出力も持つ。ピュアオーディオ向けとは一線を画した設計がなされている。大型のクーリングファンを内蔵している点もユニークだ。
HIFIMAN
第2世代のHYMALAYA DAC(ヒマラヤDAC)を搭載した、HIFIMANのヘッドフォンアンプ「EF600」は、「EF400」の上位機種と思われる。筐体が縦形状でヘッドホンスタンドを兼ねているのもユニークだ。上部にベント孔らしきポートが見えるので、多少発熱があるのかもしれない。EF400はデジタル入力専用だったが、アナログ入力端子も採用されている。
密閉型で平面駆動方式を採用した新しいヘッドホン「Audivina」はスリムなデザインだが、レゾナンスの問題(密閉型の問題)を考慮した新設計のイヤーカップを採用したということだ。密閉型用のイヤーパッドも新設計だ。

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