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G-Master Hydro Z790 Extreme/D5をレビュー

13900K&RTX 4080のデュアル水冷PCが低温かつ低騒音でニクイ

2023年02月18日 11時00分更新

文● 宮里圭介 編集●ジサトライッペイ

提供: サイコム

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PL1=253W設定でも安定動作が狙える!?

 そこで、CPUクーラーの動作モードをPWM設定に切り替え、PL1=160Wの場合と最大ターボパワーと同じ253Wまで上げた場合で、性能と温度がどう変わるのか比較してみた。ちなみに、PL1の変更はUEFIの設定から行った。

「Long Duration Package Power Limit」がPL1の設定。この値が160となっていたので、253へと変更

UEFI設定は保存する時に変更点が表示される。きちんと160Wが253Wに変更されていることを確認

 まずはCINEBENCH R23のスコアーがどのくらい変わるのかをチェックしてみよう。

CINEBENCH R23の結果(PL1=253Wの場合)

 Multi Coreテストのスコアーが38359ptsに大幅アップ。スコアーの差は歴然で、1割以上も性能が向上している計算になる。最大性能とはいえ、ここまで性能が上がるのであれば、設定を変更するだけの価値がある。とはいえ、これで安定動作していれば、という話だ。

 そこで、気になるCPUの温度がどう変化したのか、PL1=160Wの時とグラフで比較してみよう。

CINEBENCH R23のMulti Coreテスト時のCPUパッケージ温度

 最初はどちらの設定でもほぼ同じ温度の変化になる。これは短時間における処理ではPL2(=253W)で動作するためだ。しかし、PL1=160W設定時は一定時間経過後に160Wという制限が加わるため、CPU温度が60~70度前後まで落ちている。

 これに対して、PL1が253Wの場合はPL2と差がないため、温度はゆるやかに上昇を続けている。といっても、80度を超えたあたりで安定していることがわかる。これならPL1の設定を253Wまで上げても実用的だと言えるだろう。

 もちろん、ファンの回転数はさすがに上昇して動作音はそれなりに大きくなるが、そこも考えようだ。例えば、性能が必要になるCGレンダリングや動画エンコードなどなら、処理時間が短くなればそれだけ動作音に悩まされる時間も短くなるということになる。

 それ以外の一般用途では、そもそもCPUに長時間高負荷がかかり続けるという状況がほとんどない。高負荷になってもPL2の時間内で終わるため、PL1が160Wだろうが253Wだろうが、性能差を感じることがないのだ。それなら、静音性と両立できるPL1=160W設定のほうが、より快適に使用できるだろう。こういった絶妙なバランスで設定が、G-Master Hydro Z790 Extreme/D5のニクイところと言える。

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