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G-Master Hydro Z790 Extreme/D5をレビュー

13900K&RTX 4080のデュアル水冷PCが低温かつ低騒音でニクイ

2023年02月18日 11時00分更新

文● 宮里圭介 編集●ジサトライッペイ

提供: サイコム

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無駄のない配置で2つの水冷クーラーを内蔵

 いくらタワー型のデスクトップPCとはいえ、水冷クーラーを2つ内蔵するとなると、どう考えても内部は窮屈になるはず。しかも、CPU用にはFractal Design製の360mmラジエーターモデル「Celsius S36」、ビデオカード用にはAsetek製の240mmラジエーターモデルと、どちらも大型なのでなおさらだ。

 しかし、内部を見てみると、水冷クーラーのチューブやビデオカードにのびる電源ケーブルはあるものの窮屈感は感じない。むしろ、想像以上にすっきりしている印象だった。

大型PCパーツは目立つものの、無理に詰め込まれているような感じはまったくない

 これはPCケースに、Fractal Designの「Define 7」を採用していることが大きい。こちらはフロントのシャドウベイなどを自由に組み替えられるデザインで、内部空間を広く使える優秀なモデル。ゆえに、大型ラジエーターが2つ入っていてもすっきりとした見た目を実現している。

 フロントにCPU用の360mmラジエーター、天板にはビデオカード用の240mmラジエーターを配置。また、天板にはフロント近くにPCケースファンもある。ビデオカードのラジエーター用ファン2基を含む合計3基体制で、熱がこもりやすい上部からしっかり排熱できるよう工夫されている。

ビデオカードからのびるチューブは天板のラジエーターにつながっている

 ビデオカード用の240mmラジエーターを冷却するファンには、静音性と冷却性に優れたNoctua製の120mmファン「NF-A12x25 ULN」を採用。こういったファンにまでこだわっている姿勢が、サイコムの信用に値する部分だ。

 先にも触れたが、ビデオカードの水冷化は同社独自のもの。よく見るとチューブの根元に電源分岐ケーブルが見えたり、ヒートシンクの一部をカットした跡が見えたりする。しかし、ぱっと見では最初から水冷クーラーが搭載されていたのではないかと思うほどの仕上がりだ。

よく見ると改造されていることがわかるものの、キレイに仕上げられているため違和感がない

 自分で水冷化した場合、当然ながらPCパーツメーカーの保証はない。しかし、こちらはサイコムの保証が付くだけに安心感がある。ビデオカードは高額なPCパーツだけに、こういった改造を行ってもらえるだけでもありがたい。

 なお、昨今のビデオカード、特にGeForce RTX 40シリーズ搭載モデルは巨大なものが多い。いかに水冷化してもどうしても重くなりがちだ。しかし、本機はオリジナルのステイを付属しているので安心だ。

自重で曲がりがちなビデオカードを支えるステイが付属

 続いては、CPUクーラーを見てみよう。横からの写真を見て、何となくラジエーターが短いように感じたかもしれないが、それはある意味正しい。なぜなら、ラジエーターが下部カバーの下まで入り込んでいるからだ。下部カバーの内部は電源ユニットまで続く空洞で、そちらと上部の両サイドを冷却できる構造になっている。

フロントの最下段にあるファンは、下部カバーで半分以上隠れている

 また、ラジエーターファンがフロント吸気と兼ねられていることに不安を感じる人もいるかもしれない。せっかくPCケース外の冷気を吸い込んでも、ラジエーターに移動した熱が、PCケース内に戻ってきてしまうからだ。しかし、今回の構成で最も冷却したいPCパーツはCPUだ。つまり、冷たい外気でCPUクーラーのラジエーターを冷却することが最優先になるわけで、理にかなった構成と言える。

 CPU用簡易水冷クーラーのCelsius S36がユニークな点は、「AUTO」と「PWM」という2つのモードで運用できるところ。AUTOは高負荷が続く用途には向かないものの、ポンプの動作やファン回転数のバランスを取り、冷却性能と静音性を両立してくれる。これに対し、PWMは冷却性能を高め、なるべく高い性能を維持できるモードとなる。

 なお、運用モードは水冷ヘッドの外周を回すと切り替えられる。ユースケースに合わせて、好みで変更するといいだろう。

AUTOとPWMの2つのモードは、水冷ヘッドを手で回して切り替えられる

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